【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第18章 ギフト
少しの間ベルモットとの会話を楽しみ、お酒も入った。そんな時だ。
「……何かしら…もしもし?えぇ、…今から?…解ったわ、迎えに来てくれるんでしょ?…えぇ。それじゃぁ10分後に…」
そう電話が入る。ピッと通話を切るとバーボンはベルモットに問うた。
「ジン…ですか?」
「えぇ。いまから来いだって…」
「僕もですかね?」
「いえ?向こうもジン1人よ」
「……これは、気が利かなくて…」
「全く…この間はジンが嫌だって言っていたのに…」
「フ…諦めたらどうです?」
「何のこと?」
「御誘いでしょう?」
「……あなたも、子猫ちゃんが待ってるんでしょ?とはいっても帰れないけれど?」
「…そうしておきましょうか?」
そうして、ベルモットとバーボンはバーラウンジを離れた。2人揃って下に降りるものの、先にバーボンが降りる。
「お気を付けて」
「ジンが一緒なら心配ないわ」
「そうですね」
そう言って別れた。1人になったバーボンは部屋に直行する。鍵をかい、カーテンを閉め、携帯を見る。
『お誕生日おめでとう!』
そんなメールと一緒に2枚の写メ。見た瞬間にバーボンは発信ボタンを押した。
『もしもし?』
「もしもし…僕だ。」
その声は一気にバーボンから降谷に変わっていた。
『え…降谷…さん?』
「そうだ?この電話だから僕以外に居るか?」
『だって…』
「あんな写メみせられて電話しない男が居るか?」
『…あ!ケーキの?あれね、風見さんが降谷さんの誕生日にって!買ってくれたんだよ?でも、私と風見さんで食べちゃったんだけど…それでね、『雅』……なに?』
雅が話している最中に降谷は声をかぶせた。
「あんまり風見風見って…言うな…」
『…でも、風見さんが…』
「帰ったら覚悟しておくんだな…」
『……え?』
「言っておくが、俺はそれほど心が広い訳では無いから」
『…降谷さん?』
「予定より遅くなる事は無い。それじゃぁ」
『あ…!あの!!』
今度は雅が降谷を引き止めた。
「どうした?」
『あの…帰ったら一緒に…その…』
「ん?」
『……ケーキ…食べよ?』
「……期待してる」
そういって通話は切れた。ふぅっとため息を吐いた降谷…
「どうかしてる…雅が風見を連呼するのは今始まった物じゃぁないのに…」
そういいベッドに倒れ込んだ。