【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第16章 『パンケーキCP』
その頃の雅…
中には気分を崩している人もだんだん出始めてきている。そんな中で、怖さと不自由に耐えきれなくなった子供が泣き出してしまった。
「うわぁ―――――ん!!いやぁだぁぁーー!!」
「黙れ!このガキが!!」
「…ね、黙って、泣かないで?」
「うるせぇっていってんだろ!!!」
「さっさと黙らせろ!!
銃口を突きつける犯人。そんな時、雅は思いっきり机を蹴とばした。
「あぁん?何やってんだ姉ちゃん。」
「子供なんて怖くて泣くの当然でしょう?」
「なんなら姉ちゃんの腕ぶち抜いてやろうか?!」
「ぶち抜くっていうならその前に子供は解放しなさい。そうしたら考えるわよ」
「それは出来ねぇ相談だな。」
「だったら私の腕も、その子の事もぶち抜くのは歓迎できない。」
「生意気言ってんじゃねぇぞ!!このアマ!!!!さっきので玉が終わったとか思ってんじゃねぜだろうな!!なめんじゃねェぞ!!」
そう言うと犯人の1人が再度銃を放った。その弾丸は雅の二の腕を打ち抜く…・・・
「ク…・!!」
「大人しく黙ってりゃ自分じゃなくてこのガキが死ぬだけで済んだのによぉ!!」
「…ッッ(降谷さん…風見さん…ッッ!!)」
「…ねぇ、あなた…大丈夫?」
「ごめ…ごめんなさい…お姉ちゃん…」
「大丈夫…ハァハァ…ック…」
そんな時だ。ごそごそと動いている女子高生を見付けた犯人。ゆっくりと近付きしゃがみこんだ。
「何やってんんだ?姉ちゃん」
「…あ……あの…」
「隠し持ってたとは…出せよ!!」
そういい携帯を取り上げる。金を詰めて、金庫を開けるのに手間取っているのだろう。なかなか2人はそろわない。
そんな時だった。パトカーが数台到着した。
「もうサツが到着したのか?!」
降りてきたのは警視庁の目暮だった。良く顔は見た事ある。表からある意味正々堂々と拡声器を使って話し始めているものの、犯人は動揺すら見せなかった。ちらりと時計を見た雅。降谷に連絡を入れて20分。そろそろ降谷なら来るだろう…そう思って待っていた。…と同時にもし他の事件に向かっていたら?そう考えると、らしくもないほどに不安に駆られ始めていた。
(…腕は動かさなければ問題…無いはず…後は犯人がどれだけあの1発で落ち着いたか…もしくは余計に興奮してしまったか…前者ならまだいいんだけど…)