【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第13章 初デート
「……何?」
「私…その…」
降谷さんと2人きりになりたい…
その思いを告げられないでいた雅。しかしそれを悟ったのか、降谷はそっと言葉を発した。
「今からだとどこに行っても込み合ってるか…今日のお詫びに僕の料理で良かったら食べて帰るか?」
「…え?」
「まぁ、無理強いはしないが?」
さらりと家に誘う降谷。満面な笑みで、しかし少し照れたように『うん…』と答える雅だった。車を出し、どれくらいだろうか…買い物をして、降谷の家に着いた。
「ただいま」
「お邪魔します。」
「どうぞ?」
そういい靴を脱いで揃え、上がる。ふわりと広がるスカート姿の雅に今更ながら照れくさくなる降谷。台所に立ち、手際よく下ごしらえをする。その横で手伝う雅。そして降谷の手際の良さに見る間に品は出来ていく。
「よし。食べるか」
「うん!」
頂きますと手を合わせ、2人で食べ始める。鶏肉の香草焼き、サラダ…味噌汁に箸休め少々…おいしいと食べる雅とその顔にも大満足の降谷。時間をかけて食事を終えると片づけは私が…と雅は立った。
「ありがとう」
「いいえ!」
そうしてお皿を重ね、台所に行き洗っていく雅。後で見ていても解るほど嬉しそうに洗っている。
洗い終わるとどんどん伏せていく雅。最後の1枚を伏せ終わるとタオルで手を拭いた。
「終わったぁ…!!」
最後に洗い残りが無いかを確認していた時だ。背中からトンっと体重がかかる…
「降谷…さん?」
「ん?」
「……えと…」
「ちょっとだけ…」
そういい首筋に唇を寄せる降谷。わざとリップ音を立てながらキスを落としていく。
「…あの…ン…ッッ」
「……こっち向いて」
そういうとゆっくりと体の向きを変えられた雅…そのまま胸に顔を埋めた…
「あの…」
「ん?何?」
「……れ…ぃさん…」
「…ッッ」
「…好き…」
突然すぎる雅からの告白に降谷は正直驚いていた。自分から体を離し、俯いたまま雅は消えそうなほどの声で追い打ちをかけるかの如くに話した。
本当は…ずっと言いたかったんだよ…
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