【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第13章 初デート
翌朝、9時40分には降谷は着いた。急がせる事もせずに待っている。すると雅からラインが入ってきた。
『おはようございます!良いお天気になりましたね!』
『おはよう。そうだな、どこ行くか決まったか?』
『秘密です!それより、向かってる最中なら後でもいいんです!着いたらまた連絡してください?』
そんな短いやり取りを交わしながら最後の返事でどう入れようか迷っている降谷。しかし、そのものを入れる事にした。
『もう着いてる。』
しかしその後で、今度は雅からの返事が無くなった。すると着信が入る。
「もしもし?」
『あの!すみません!すぐおります!!』
「いいよ、急がなくて。」
『でも…キャ…!!やだぁ、もぉ』
「どうした?」
『な…なんでもありません!!大丈夫!すぐ行きます!!帰らないでくださいね?!』
「はいはい」
そうしてすぐに電話は切れた。言っていた通り、それから時期に下に降りてくる雅。コンコンと窓を叩き、助手席の扉を開けて中に入る。
「ごめんなさい。遅くなっちゃって。」
「いや、大丈夫。今の時点でも約束の時間にはまだ早い。僕が早く着きすぎただけだ。」
「……何分に着いたんですか?」
「そんなに待っていない…」
「…すみません。」
「それより、どこに行きたいか決まった?」
「残念な事に…決まってないんです…」
「…ここで解散か?」
「でも!!行きたい所はたくさんあるんです!水族館に、遊園地に、公園に…それから…その……」
「クス、それじゃぁ1番最初にでた水族館にするか」
「…うん!」
そうして米花水族館に決まった。チケットを買い、中に入る。大きな水槽の前で無邪気に見上げながらもはしゃいでいる雅をみて降谷は嬉しくなっていた。すっと横に立つと、降谷の左手は雅の右手を捕まえる。
「本当だ…すごいな…」
「あ…の……ッッ」
「ん?」
「……ううん…なんでもない…」
そう言うと握り返す雅。絡み合う指の感覚や手の温もりに緊張しつつもその距離が愛おしく思えていた。