【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第13章 初デート
~雅side~
仕事に向き合っていると降谷に呼ばれた。着いていけば自販機のコーヒーを1本渡される。
(何かミスしたかな…)
そう考える他思考は動かなかった。
「明日。休みだろ?」
降谷の口から出たのは明日の事だった…確かに休みだったものの、それは降谷に言われていた日だった為、休み申請を出しておいたものだった。
「何で知っているんですか…」
そう言ってみる。きっと返ってくる言葉は決まっている。
『僕が空けておけっていたから…』
そうに違いない。そう思っていた矢先にほぼ違う答えが返ってくる。
「君の事だ。知らない訳無い」
その後、雅はどう返事しただろうか…良く解らないまま話は進んでいく。ニコリと柔らかい笑みが見えたと思った瞬間だった。
「デートしよう…」
他に聞こえない、雅の耳にしか届かない程の距離と声で降谷は言ってくる。
「………ッッ!?!?」
おもがけない言葉を聞いた時、人間は皆こうなるのだろう…その代表的な物の様に雅は固まり、俯いてしまった。耳まで真っ赤になり貰ったコーヒーを握りしめたままにやける顔を誰かに見られない様にと願うばかりだった。
夜になって、着ていく服を選んでいた時だ。ピタリと手が止まった。
「どこに行くんだろう…」
そう。行く先を聞いていない。その行先を聞いていない以上もしスカートを履いて行って遊園地だったら…?パンツを履いて水族館やムード満載の場所だったら?
「…いや、どっちにしても絶対引かれる…」
困った雅は降谷に連絡した…帰ってくる返事は『どこに行きたい?』という淡白な物…
「どこに行きたいって聞かれても…」
迷っている雅。行きたい所は沢山あった。それでも決められずにいた雅の元にもう1通降谷からラインが来る。
『雅が行きたい所に行こう。』
行きたい所って…降谷さんとならどこでも嬉しい。それも仕事抜きの2人だ。
『私は、降谷さんとならどこでもいいよ?』
『どこに行きたいか明日までに決めておけな?』
意を決して入れた返事に速攻で返ってくるリターン。明日の10時がタイムリミットとなったもののどうしようか迷いながら降谷と過ごしたい事を考えてみる事にした。