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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第13章 初デート 


~降谷side~

この間、雅に電話口で伝えた事…そろそろその時期が迫ってきている。

「さて…デートと言うのもいいものか…」

そう考えていた。しかし言わなくては忘れているかも知れない…そう感じた降谷は雅を呼びだした。

「成瀬、ちょっと付き合え。」
「ふぇ?…なんでしょうか。」
「いいから。」

そういい、後から着いて来る雅の歩幅を気にしながらも良くある自販機の前に来る。2本コーヒーを買うと『ほら。』と1本雅に手渡した。

「明日なんだが、休みだろう。」
「よく知ってますね。」
「君の事だからな。」
「…ッッ」
「前に言っておいたが、用事なんて入れてないだろうな?」
「はい。入れては無いですが。」
「なら明日。君の家に迎えにいく。10時に待っていてくれ」
「え?」

休みを知って居るも何も、仕事を入れたらどうなるか…そっちのが怖かった雅は休み申請を出していた。普段から申請などほとんど出さない為、あっさりと受理してもらえている事を降谷が知らない訳無かった。

キョロキョロ回りを見渡しながらも何かを気にしている様子の雅にポンと肩に手を置いて降谷はそっと『デートしよう。』と雅にしか聞こえないほどの声で伝えた。

降谷自身もこれが精いっぱいだった。

付き合っていて、以前から話もしておいた。断られるわけはないと知りながらもどこかでやはり不安だったのだろう…背中越しに真っ赤になっている雅を想像するだけで降谷は嬉しく感じていた。

その日の夜、雅からメールが入ってくる。


『明日ってどこ行くの?』


どこに行くかなんて、行きたい場所は正直山ほどある。それでも降谷自身の行きたい所よりも雅の行きたい所を優先させたかった。

『どこ行きたい?』

自分でもおかしくなるほどぶっきらぼうで短い返事だった。しかしそれがいけなかったのか、それとも迷っているのか…なかなか雅からの返事は無かった。堪らず降谷は続きを入れた。

『雅が行きたい所に行こう。』
『私は、降谷さんとならどこでもいいよ?』

「(僕と一緒ならって…)全く…どこまで可愛いんだ…」

そう呟くとひと言、返事を入れた。

『どこに行きたいか明日までに決めておけな?』と。
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