【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第13章 初デート
あの遊園地からさらに日が経ち、降谷が言っていた月末の月曜日の前日、雅は降谷に呼ばれた。
「成瀬、ちょっと付き合え。」
「ふぇ?…なんでしょうか。」
「いいから。」
そういい、自販機の前に来ると2本コーヒーを買うと1本手渡した。
「明日なんだが、休みだろう。」
「よく知ってますね。」
「君の事だからな。」
「…ッッ」
「前に言っておいたが、用事なんて入れてないだろうな?」
「はい。入れては無いですが。」
「なら明日。君の家に迎えにいく。10時に待っていてくれ」
「え?」
その急な言葉にキョロキョロ回りを見渡しながらも雅はドキリとしていた。
『デートしよう。』
去り際に雅にしか聞こえないほどの声でいっていった降谷の言葉だ。
(デート…デートだ!…何着ていこう!)
そううきうきしながらも部屋に戻り、仕事をこなしていく。その日中の全ての仕事を終わらせ、満面な笑みで雅は帰っていく。その日、帰宅後に色々と服を選びながらも、決めかねていた。
「デートって…どこ行くんだろ」
その行き先によって着る服を選ぼうとしていた。
「降谷さんに聞けばいいんだ!」
そう思い付いた雅は降谷にラインをいれる。
『明日ってどこ行くの?』
『どこ行きたい?』
思いにもよらないほどに、早くに返事が返ってきた。その返事は降谷の中で決めているとも、未だともとれそうなものだった。迷っていると続けて入ってくる。
『雅が行きたい所に行こう。』
『私は、降谷さんとならどこでもいいよ?』
『どこに行きたいか明日までに決めておけな?』
そういわれた雅。本音を言えば、降谷と行きたい所なんてたくさんある。
水族館、海、臨海公園、…降谷の家……
初めてのデートでどこがいいか、決めるには時間が足りかった。それても色々といきたかった。それでも未だ時間に限りがあるわけでもないと思い、どこに行きたいか、初デートでというより、雅は今自分が降谷とどこに行きたいかを考えることにした。