【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第12章 遊園地
時間が経つのはとてつもなく早い…それが『どこかへ遊びに行く用事』ならなおさらだ…
朝早くに降谷は電話を掛けた…そう、雅に…
『はい、成瀬です。おはようございます』
「クス…おはよう、雅」
『…どうしたの?』
「いや、ちょっと耳に挟んだ事があってね…」
『なんですか?』
「…大したことじゃぁない…今日は風見と宜しくな?」
『…だから、その耳に挟んだ事って…なんでしょうか?』
「雅が最近しょげていると…良く聞くもんだから…」
『しょげてなんか…!!!無いですよ』
「クス…ごめんごめん。そうだ。今月終わりの月曜日。少し僕に付き合ってくれ」
『ちょっと…待ってください?終わりのって…』
「それだけだ。それじゃぁ。今日何かあったらまた報告してくれと風見にも。」
『あ…あの!』
「ん?」
『気を付けて下さいね?』
そうしてプツリと電話は切れた。
(ハァ…僕もまだまだ…色々な意味で勉強不足、と言った所かな…)
そう考えながらも支度を始めた。その頃の雅は慌てて手帳を広げる。
「…今度の月曜日って……何があるの?」
そう考えていた。それよりも未だに降谷を『零さん』と名前で呼ぶことが出来ていない。そうあの降谷の部屋で呼んだきりだった。
双方がトロピカルランドに着いたのはそれほど時間差は無かった。風見も言われた通りに私服でやって来た。そんな風見を見た雅は少し驚いていた。
「風見さんって…なんか普段はそんな感じなんですか?」
「おかしいか?」
そう言いながらも自身の服装を見ていた風見に対して雅はにこっと笑うと首を左右に振った。
「そうじゃなくて…、雰囲気凄く変わるなって…カッコいいです!」
「フ…ありがとう。そう言う成瀬も、変わるもんだな。やはり女性だな…」
「ありがとう。えっと…多分時間的に降谷さんたちは先に入ってると思いますけど…」
「だろうな。俺たちも行くか」
そうして2人はランド内に入って行った。色々と見て回る。楽しむものの、やはり風見と雅は『仕事』という観念が大きくあった。
時折携帯を確認しながらも注意深くあたりを見ている。そんな風見に雅は声をかけた。