【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第12章 遊園地
しかし時期に降谷はその場を後にした。残された2人の方を振り返りながらも声をかける。
「風見?行くぞ?」
「あ、はい」
「成瀬?」
「何でしょう?」
「後は頼む。」
「解ってます。」
そうして降谷は風見を連れて署を出、雅は阿吽の呼吸と言わんばかりにトロピカルランドについて調べ出した。全体マップ・注意ヶ所・防犯カメラの位置から死角になり得るヶ所など、午前中には調べ上げ終える。それを携帯ではなく、パッドに送信した。
「…来たか。」
「成瀬ですか?」
「あぁ。相変わらず仕事が早い…」
こうして確認も終えた降谷と風見。張り込みを続けながらも雅からの情報を確認していた。
そうこうしている中、雅は続けて簡易的な場所、目印になるものを箇条書きにした一覧を降谷と風見に送信するベク作成し始める。注意する事、よく人が居る所とその逆然り、併せて別資料として送り込んだ。
「こちらにも来ました。…なるほど…」
「これだけあれば余程の事までは対応できるな。」
「そうですね」
そうして2人に送った雅も場所こそ違えど納得していた。自分自身はマップのみプリントアウトしたものを持っていく。そこに暗号としか読み取れない羅列と矢印を残していく。
「…これで良し、と…」
ふと時計を見ると13時を回っていた。サンドイッチを食べながらもその他の通常業務をこなしていく。こうして仕事自体は終わりに向かっていった。
「来週の土曜日…私も行きたかったなぁ…」
そう呟いていた。実際にはトロピカルランドに行くものの、降谷とのデートではない。むしろ、デート等出来る時間は無いのかも知れない…解っていた。それでも時折見せてくれる特別ともいえる柔らかな表情を向けてくれるだけで幸せだったはずなのに…
「ハァ…」
ため息を吐きながらも携帯を見ていた。しかし相変わらずお知らせランプが光る事も無かった。