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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第11章 名前呼び


「すみません。遅くなって」
「いや、いい。」
「風見さん…あの」
「変なことも聞いてないし、言ってもないから安心しろ。」
「あ…そうですか!」
「そうだ風見、。」
「はい?」
「成瀬にも聞いてみたらどうだ?」
「え、何をですか?」
「ほら、僕に聞いていたこと。女性目線からの話も聞いたらどうだ?」
「「え!?!?」」

2人の声は一気に重なった。それから風見と雅の間に何とも変な空気が流れながら風見は聞き始めた。

「成瀬なら…その、名前で呼ばれると嫌かな。」
「私ですか?私は嫌ではないですけど…」
「それが例えば俺だったとしてもか?」
「風見さんでしょ?別に嫌な気はしませんが。」
「そうか。…」
「……はい」

そんなもどかしい会話を聞きながら降谷はクスクスと笑っている。

「そぉいえば、風見さんはどうですか?」
「何が?」
「例えば私が風見さんの事名前で呼んだりしたら嫌ですか?」
「というか、俺は女性に名前で呼ばれたことがないからな。」
「…ねぇ、裕也?」

するりと名前を呼ぶ雅。それを聞いた瞬間、風見はドキリと心を高鳴らせ、降谷は目付きが変わった。

(あれ…なんか普通に呼べた…)

キョトンと、余りにするりと呼べた事に雅自身が驚いていた。

「い…いや、……その。何か照れ臭いな…」
「何照れているんだ、風見。」
「いえ、その。すみません。そ…そういう降谷さんはどうなんですか?」
「何が?」
「何がって、名前で呼ばれる事ですよ。」
「僕かぁ。そうだな。相手にもよるかも知れない。」
「女性にですよ。」
「確かに名前で呼ばれた経験はあるな。」

それもまたさらりと答える降谷。その返事にあからさまにしょぼっとする雅と、状況を知っているが故焦る風見。

「僕自身もポアロに居る時はほぼ名前で呼ぶし、降谷としても、大切な人はそれこそ名前で呼びたくなる。」
「名前で、呼ばれたいとかは?」
「本人に任せるさ。僕からは無理強いしたくもないしね。」

そんな答えを聞いた雅。しかし、それでもなかなか切り出せなかった。

「だそうだ。」
「って何で私に振るんですか。」
「はは。」

笑いに変えた風見だったが雅は戸惑いばかりが心を埋め尽くしていた。
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