【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第2章 な…なんですと!?
「…かわいい…」
そのままじっと見ていると雅は小さく笑うと、続けて口を吐いた。
「クス…いつもの鬼と…全く違う…」
そう呟いた。『ン…』と声を漏らした降谷の声と同時に我に返った雅は背中を向けた。
(落ち着け!心臓…!!何やってんのよ…自分!!)
そう言い聞かせていると後ろから腕が回ってくる。そのまま胸に触れそうな程のギリギリの所を抱いてくるその腕…
(ちょっと…待った…!え…なに………)
戸惑いながらも体は緊張して動かない…逃げるにも逃げられる訳もない。
そんな雅に追い打ちをかける様に首筋に唇を寄せる降谷はモゾリと動いている。
「チュ…ック…」
ぴくりと体が意思に反して反応を見せる。ぐいっと体を反転させられると目の前に覆いかぶさるように降谷が居た。
「…おはよう…」
「………・・おはよう…ございます」
「どうした?」
「えと…その……!」
「ん?…なに?」
「……ッ…昨日って…その…」
「昨日?…あぁ…結構激しかったな…」
(は…げしかった…って!!!?)
「こんな一面もあるんだって…改めて知らされたよ…」
にこっと笑う降谷。そうして首筋に顔を埋める降谷の体を押し戻した雅は戸惑った様子で聞いた。
「あの…もしかして…その…激しかったって…そのもしかして……」
「ん?」
「その…もしかして…」
「…クッ…クスクス…さっきから成瀬もしかしてしか言ってないな…」
「…だって……」
「心配するな。成瀬の考えている様な事はしていないから。」
「…じゃぁなんで…その…キスなんて…」
「そりゃ…『可愛い』と『鬼の様』がむかついたから…」
そう言うとスッと退き、ベッドを降りた。『シャワー借りるな?』といい、降谷は寝室を後にした。
「……って事は…起きてたのか…あいつぅ…!!!」
ポスンと枕に顔を埋めるとそこには降谷の柔らかい香水の香りが残っていた。