【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第2章 な…なんですと!?
「鞄。…あの…」
「何言ってるんだ?」
(いや、何言ってるは降谷さんだし…)
「何か言いたそうだな。」
「私だってそりゃ…早く帰りたいですし」
「だから、送ってやる。」
そう言いながらも降谷は愛車の白いスポーツカーを前に鍵を開けた。戸惑い気味に立っている雅をぐいっと助手席に押し込むと自身も運転席に乗り込んだ。シートベルトをすると降谷は車を出した。
(…眠くない…ここで寝たら…マズイ…・・・・)
そう心で唱えながらも雅は鞄を抱えたまま眠りに堕ちていった。
「…全く。上司の横で寝るなんてな。」
こうして翌朝…雅が目覚めたのは自身のベッドの上だった。
(…私…どうやって帰って来たんだっけ…・・そぉだ…降谷さんに…)
起き上がろうとした時だった。いつものベッドにしてはなんだか狭い事に気付いた雅。しかも何かにホールドされている感がある…
鼻をくすぐるのは嗅いだ事のある香り…しっかりと目を開けるとそこにあったのは…
「&%#$?*@!?!?!?」
声にならないまま腕を解いて飛び上がった…そう、横に寝ていたのは降谷だった。飛び起きたもののまだ外は暗い…自身の携帯がどこにあるのかもわからない…
(服…!?私…どうやって着替えた?!!?)
そう、確かスーツだった…それで…・・・それで?!?!気付いたら今になっている…
この状況…どう説明したらいいのだろう…
「ン…」
(落ち着け…自分……!!!)
そう言い聞かしていると手を引き寄せられて抱き締められる。その降谷の上半身は裸だ…直に触れ、鼓動が近い…時間を探るべく手を伸ばすと降谷の携帯が手に当たった。
(時間を見るだけ…)
そう言い聞かせながら電源を入れる。映し出されたのは『4:07』という時刻…通常よりも早い…寝就くにも寝つける状況ではない…ふと緩んだ腕からそぅっと離れる。
ゆっくりと顔を上げると瞼が閉じられた瞳と、金茶の髪…ハーフだというのを聞いたことがある…それ故に少し目立つものの良く似合っていて違和感が無い。
さらりと指を通すと男性にしては細めのクセの無い髪。雅はその髪をそっと掻きあげる…頬に触れ唇に触れる。