【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第2章 な…なんですと!?
・・・サーーーーー…
シャワーの音が響く浴室で降谷はただ無心になろうと必死になっていた。
「…ふざけんなよ…こっちの気も知らないで…」
そう呟きながら目を閉じていた。
雅は服を着替え、台所に立つ。冷蔵庫を開けると何とか2人分の朝食を作るだけは材料が残っている。卵を焼き、ソーセージを焼いて、簡単なグリーンサラダ。それにトースト。
「飲み物は…何がいいかな…コーヒー、牛乳…コーンスープ…それ位なら出来るか…」
そうして並べていると降谷は戻ってくる。
「ありがとう。何かいい匂い…」
「あ、良かったら食べていきますか?大したものじゃないけど…」
「…おいしそう…」
「クス…飲むもの何がいいですか?」
「任せる」
そう言われ自分と同じように牛乳を注いで差し出した。コトっと並べると席に着く。
『いただきます』
そうして2人で食べだす。『うまい!』と言いながらも綺麗に食べつくした降谷。
「ありがとう。」
「いえ…大したものじゃなくて…すみません…」
「そんな事ない。美味しかった。」
食べ終わった食器を雅は片す。洗い出した背中を見て、降谷はボソッと呟いた。
「こうしてると新婚みたいだな」
「……」
返事はない…水の音で聞こえていないのだろう。洗い終わったのを見計らって降谷は近付いて再度声をかける。
「なぁ成瀬?」
「はい?」
「こうしてると、新婚生活みたいだな」
「な…!?!?…に言ってるんですか…!!!」
「クス…そんなに動揺しなくてもいいだろう。昨夜の事もあるし。」
「…そりゃ…運んでもらった事は謝りますけど…」
「昨夜はあんなに素直で…かわいかったのに」
「何言って…あんまりふざけないでください…」
「ふざけてない。」
そういい、背を向けた降谷に雅は聞いた。
「あの…本当に…何もなかったんですよね」
「何かあってほしかったのか?」
「そうじゃなくて!!」
「クスクス、帰らないで…傍に居てって言われて離してくれなかっただけさ。」
そう言い残して玄関に向かう。
「先に行って車用意しておくから。準備出来たら降りて来い。」
「でも!」
「車、あっちだろ?」
そして降谷は静かに玄関をしめて先に出た。家に残った雅は、はぁぁ…と深いため息を吐いて頭を抱えた。