【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第10章 情けない…
そう言うと降谷の右手はそっとシャツの上から雅のバストに触れた。そっと包み込むその手は大きく、逆に雅の体に熱がこもって行く。
そっとシャツのボタンを外した降谷。その直後には愛撫の手が熱くなってくる。
「降…ッン」
「何?…ん?」
囁く様に返事をした降谷はするっとタイを外すと雅を冷蔵庫に追い込んだ。
「…僕に喰われてみるか?」
「……ッッ」
「クス、キスはしないでおく。風邪をうつしたら大変だから。」
「…ンァ……でも…」
「嫌?」
「……フルル」
「いい子だ…」
小さく左右に首を振る雅。そのままシャツのボタンを外して弄ぶかの様に舌を這わせていく…そっと腰をなぞった時だった。降谷の携帯が鳴った…
「もしもし。」
『あ、すみません降谷さん、お休みの所』
「どうした、風見。」
『今日の押収した書類の中にマル秘文書が…』
「マル秘?なんだ?」
『№19-02に関する事案です』
「1902…まさか…」
『はい。ですので、明日を待たずに報告させて頂きました。』
「他の奴は?誰か気付いたか?」
『いえ、ですので私の思い過ごしかも知れませんが…』
「わかった。今から署に向かう。」
『いえ、それでは…』
「構わん。待ってろ」
そうして電話を切った降谷。そっと鯛を外すと息も整った状態の雅が服を直す。そうしながら雅は降谷に聞いた。
「マル秘の1902って、明後日の…?」
「あぁ、風見が見つけた。」
「…さすが…でも先に帰れって言ったのに残ってたんですね…」
「成瀬も来い。まぁ、時間は遅いと言えば遅い時間だが…」
「もちろん。でも…」
「でも…?問題が…ン」
振り返った降谷の腕を引っ張り頬に手を添えるとそっと雅からキスをした。
「…ン、雅…」
「意地悪のお返しです。」
「移ったらこま『困りません。もし移ったら今度は降谷さんに看病してもらうから』」
降谷の言葉を遮りながらも雅はニコリと微笑み返した。『先に出ますね?』と伝えて雅は整えて時期に一足早くに降谷の部屋を出て行った。支度をしながらぽつりと呟いた。
「僕の好きな人…どんな人かと聞かれたら『大胆』も付け加えないといけないな…」
作ってくれたものを冷蔵庫にしまい、降谷もまた署にむかった。