【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第9章 イミテーションデート
「…全く…勘弁してくれ…」
そう言いながらも一斉に捜査は始まる。睨んだ通り、事件の主犯格で間違いなかった。飛び降りたものの即死ではなく、重体という状況で搬送されていった。そうして事故現場の処理と押収等が始まり一気に事件は片付けられていった。
「悪かったな…呼びだしてこんな結果になって…」
「いえ…大丈夫ですよ…それよりありがとうございます。」
「何がだ?」
「咄嗟に見えない様にしてくれたでしょ?」
「…あぁ、悪かった…急にあんなこと…」
「大丈夫。セクハラなんて言わないから!でも…」
「でも?」
「私も一応…公安警察よ?クスクス…」
「でも正直慣れてないだろ?」
「まぁ風見さん達に比べたら…」
「ほら…」
そうして捜索に入って行った。
―――― ~降谷side~
「どうしたの?バーボン」
「いえ?」
「顔色が優れないようだけど…」
「問題ないですよ。それよりも買い物、でしたね。場所変えましょうか?」
「…そうね、之だけ騒がしい中じゃいつ捕まるか…」
「クス…」
小さく笑いながらも心は穏やかではなかった。そう、車に乗り込む時に、雅と目が合った。
どうしてここに、今の時間に雅が居る…?
そう思った時にすぐ理由は解った。この騒がしさ…そして見慣れた連中…事件か…そうはいってもいつもなら出ないはずの人間が居るとは想定外だった。
「…―――ね、」
「はい?」
「聞いて無かったでしょう?私の話。」
「すみません。ボーっとしていて…」
「…あの警察連中の中にあなたのお気に入りが居るのかしら?」
「まさか。僕にそんな相手なんていませんよ…居るとしてもせいぜいベルモット、あなたのお供位です。」
「その言い方、私が居るからお気に入りが出来ないという様にも聞こえるけど?」
「それは失礼。ボスとあなたと言った方がいいかも知れませんね」
「…ふーん」
「そういえば、買い物、何を見るんですか?」
「服と下着ね。」
「下着ですか…ジンとのマティーニ用ですか?」
「…殺すわよ?」
「そうはいってももっぱらの噂ですよ?あなたがジンとのマティーニを望んでるって…」
「誰からかは知らないけど、今、最近はそんな気分じゃないの。」
「そうですか…」
そういいながらも、話しながら車を走らせ続けた。