【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第8章 忠告
そうこうしていると、お腹もだいぶ満たされた3人。それぞれ車がある為飲みこそしなかったもののそれでも十分満足した。
「さて…そろそろ帰るとするか。」
「そうですね…」
そう話していた時だ。降谷の携帯に電話が入る。発信元の名前を見た瞬間にその表情は変わった。
「ちょっと出てくる」
「気を付けて…」
そう言いながらも風見と雅は降谷を見送った。その場に2人きりになった風見は雅に直接問うた。
「そう言えば成瀬?」
「はい?」
「聞きたい事があるんだが…」
「なんでしょう?」
「降谷さんと付き合う事にしたのか?」
「…ブッ…ゲホ…ゴホ…?!?!?!?なんですか!急に」
「いや…そんなに動揺されてもな…」
そう言いながら最後の焼き鳥にかじりつく風見。むぅっと上目づかいで風見を見つめる雅を見て風見はハハッと笑った。
「何でそう思うんですか?言っても『俺の勘!』系の事なら却下しますよ?」
「いや。そうじゃなくて…」
「じゃぁ何です?」
「さっき成瀬の事を降谷さん雅って名前で呼んだろ?それでいて成瀬も平然と聞き流した。という事はすでに呼ばれ慣れてる経緯に至るという事じゃないのか?」
「……名前で…呼んでました?」
「気付いて無かったのか?」
「いえ…そう言う訳では無いんですが…」
「歯切れ悪いな…どっちなんだ?」
「いえ…そりゃ…付き合ってるって言えば…付き合ってると思う…」
「なんだそりゃ…」
「まぁ…当然なんですけど…時間もない上にトリプルフェイスのお方で、そりゃもうおモテになるので…恋人らしい事なんて何にもですよ…」
「付き合ってどの位になる?」
「ほら、降谷さんが刺されて病院搬送されて死んじゃうーって勝手に思い込んだ日です」
「…あの時か…長かったな…」
「え?」
「……まさか…成瀬…本気で気付いて無かったのか?」
「何がですか?」
「降谷さんの気持ち…」
「だから何が…?」
「もうずっと長い事成瀬の事好きだったんだと思うが…」
「そんな…でも…あんな鬼で?」
「まぁ、小さい時に居た好きな子には意地悪する的な感覚か?」
「…そうだったんですか…」
「ハァ…(意外と成瀬って鈍いのかも知れん…)」
そう考えながらも2人は降谷が戻るのを待った。