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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第8章 忠告


「隣でナビしてくれれば…」
「面倒くさい」
「そうおっしゃらずに…」
「とりあえず君は隣に行ってくれ」
「しかし降谷さんに運転させるわけには…」
「僕の愛車を傷付けられてからでは遅いし。」
「そんな事は…細心の注意払いますし。」
「いいから!僕がお願いしている内にとっとと横に動いてくれ」

そういいグイグイと助手席に風見を追いやった降谷。隣では眠るまいと呪文のように何かをぶつぶつ言っている風見が居る。しかし気付けばその呪文が寝息に変わっていた。そんな風見を見て降谷はクスリと笑うとぼそりと呟いた。

「…上司の運転の横で部下が眠りこけるとは…僕の部下はなんでこうも素直なのか、それとも…・・クス、後で説教決定だな」

と…約束していた時間ギリギリに降谷の携帯に連絡が入る。そう、雅からだった。

「ギリギリだな」
「良く言いますよ。あと少しで17時という時間に18時集合って言って…」
「そうでも言わなくては君もこないだろう?」
「いきなりの申出でも可能な時とそうでない時があるので…」
「いや、ほとんどの事なら見極めが利く。その位知っている。」

そう話しながらもにこりと笑いかける降谷の顔は安室でもなく、いつもの犯人を追っている公安の顔でもなかった。店内に入って行く3人。テーブルに着き、食事をしながらも色々と話をし始める。そんな時にポロリと降谷がこぼした。

「雅も仕事、ある程度に帰れる様にしなくては…僕らの仕事は僕らでもやらなくてはならないな」
「大丈夫ですよ。降谷さんや風見さんほど外に出る訳でもないので…私に出来る事はある程度片付けられたらと思ってやっている事ですし。」
「風見も、雅も、……ほどほどにしておかないとだめだ。相手は僕らの体の良し悪しなんて関係なくやってくる。それに対応できなければ公安に居る資格はない。」
『はい…』
「…とはいっても、君ら2人にはいつも助けて貰っているからな…感謝する…」

そのひと言で風見と雅の顔がほころび、笑顔になったのは言うまでもなかった。顔を見合わせて小さく笑い合っているのをそのアイスブルーの瞳は見て見ぬふりをしているのだった。
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