【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第7章 …鈍感!
それから2日後、あれから雅がポアロに顔を出す事は無かった。行きたかったのも事実だが、行けば安室に会う…そして、降谷の声と唇を使って他の女性の名前を呼ぶ…それを聞きたくなかったのだ。
「はぁ……・・・・」
「成瀬?どうした?ため息なんてついて…」
「風見さん…珍しいですね…こんな時間に。」
「こんなって…もう15時廻っているが…」
「えっっ!?!?うそ?!」
「どうした?」
「はぁ…まだ11時くらいかと思ってた…」
「何ぼーっとして考え事してたんだ?」
「…いえ…その…」
そんな風に話していると雅の携帯に着信が入る。
「もしもし?成瀬です」
『僕だ。話があ』
プツリと条件反射で切ってしまった雅。切った直後に『…やば…・・・』っとひと言呟く。
「どうした?」
「降谷さんからの電話…途中で切っちゃった…」
「…なんてこと…」
「・・・?!?!…風見さん!!パス!」
「は?なんだ?!」
「だって、絶対怒ってる…」
「そう思うなら自分で出ろ」
そう言われながらも携帯を風見に押し付けた雅。仕方なくそれを受け取ると風見は電話に出た。
『おい!僕の話は終わってない。』
「あの…風見です。成瀬に代わります。」
「やだ…」
「嫌だと言ってますが」
『それなら僕が今からそっちに行く。逃げない様に見張っていてくれ…』
「了解」
そうして電話は切れた。それを渡しながら、風見は雅を逃がさない様に降谷に言われた通りに捕まえていた。しかし早いもので数分で降谷はやってくる。その目は呆れと苛立ちが入り混じっていた。
「済まなかったな風見。」
「お疲れ様です!」
「ふ…るやさん…」
「ちょっと来い。」
「あの…」
「いいから来い。」
そう言い放ち降谷は背を向けて歩き出す。その後を観念したかの様に雅も着いて行く。とある会議室の中に入り、内側から鍵をかう。
「あの降谷さん…」
「成瀬、君に聞きたい事がある」
「…はい」
「最近僕を避けているか?」
「避けてないです」
「前もそういってたな。質問を変えようか。なぜ僕を避ける」
「あの…同じにしか聞こえませんが…」
「言いたい事があるならはっきりと言えと言ってるだろう」
「…」
「なぜそんなに機嫌が悪い」
「……」