【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第7章 …鈍感!
「梓さん!ありすさんの彼見た事あるんですか?」
「多分あの人だと思うのよね!!」
「どんな人?!」
初めはそうでもなかった蘭までも身を乗り出して聞いていた。
「髪は少し立ってて、メガネかけて少しツリ目なんだけどすごく笑った顔とか優しそうで!お二人の雰囲気もすごく良かったの!」
「えーー!いいなぁ…」
「あの、ほんとにあの人は違うんです。職場の先輩と言うか…だから彼とかじゃないんです!」
「…何か…その動揺っぷりがあやしい…」
「違うんですってば!」
しかし、どうやら雅の彼が風見だと思われたまま決着がついてしまいそうな空気だった。
「まぁまぁ、梓さんも、蘭さんや園子さんも。櫻井さん困っちゃってるじゃないですか。」
「まぁ…でも安室さんも気になるんじゃないですか?」
「僕ですか?んー、そうですねぇ。」
「気になるでしょう?」
「素敵な方ですからね。気にならないと言えばうそになってしまうかも知れないですね」
そういいはぐらかすかのようにふわりとかわした。
「あ…梓さん?お客様が呼んでます。」
「あっ!はぁい!!」
そうしてパタパタと走って行った梓を見て安室はまたしても口角を上げた。
「安室さんは彼女いないの?」
「僕ですか?」
「はいっっ!」
「秘密です」
「梓さんですか?」
「そんな、梓さんに怒られますよ?」
「そんな事ないとおもうんだけどなぁ…」
「あの、私そろそろ行かないといけなくて…」
「あ、そっか…ごめんなさい」
「いえ、私こそ。折角誘ってくれたのに…」
「じゃぁまた会ったらゆっくり話しましょうよ!」
「はい!ぜひ」
そうして雅は席を立った。会計に向かう雅を安室が対応する。他に聞こえない様に互いのみの会話がなされていた。
「……何を怒ってるんだ」
「怒ってません」
「そうは見えないが?」
「見えようと見えまいと…怒ってませんよ」
そうして御馳走様でしたと伝えて雅はアポロを後にした。ふぅ…っとため息を吐いた安室はカウンターに戻って行くとまたしても蘭や園子の恋バナに捕まってしまった。