【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第7章 …鈍感!
「あの、一緒にいいですか?」
「あ、はい。」
「ねぇ、どうせならカウンター行こうよ!空いてるし!」
「え、…でも。」
「ほらほらぁ!」
そういい園子は雅の食べていたハムサンドとレモンティーを持ち、カウンターへと行った。キョトンとしている雅を見て蘭は何度も園子の代わりに頭を下げながらも『せっかくなので…』と連れていった。このポアロでの安室とのこの距離…初めてだった。
「おや、蘭さんと園子さん。そちらは…良く来てくださるのに名前は知らないので…」
「…櫻井といいます…(てかそう言えっていったの降谷さんでしょ?)」
「櫻井さんですね。宜しくお願いしますね。」
「いつも安室さんのサンドイッチを注文してくれるんですよね!」
「はい。初めて食べてから気に入ってしまって…」
「ありがとうございます。」
フッと笑う安室の顔は完全な「ポアロ仕様」だった。その顔に雅はドキリとなる。
「それで?皆さんで今日はなんの相談ですか?」
「相談って言うか、良く見かけて、いつも一人だし、なんか気になって!」
「気になりますか?」
「そりゃぁ!!何でって言われると困るんだけど」
そんな根拠のない園子の感情に言ってしまえば巻き込まれた雅。しかし、断れないまま安室の目の前に座っている雅だった。何故かひと言、二言言葉を発するだけでも緊張してしまう。そんな雅に気付いているのだろう。何故か安室も又、蘭や園子とと同じように雅に色々と聞いてきた。
「櫻井さんはこのお近くにお住まいなんですか?」
「…いえ…すっごい近いという訳でもないんですけど…」
「彼氏とか居るの?」
「ちょっと園子!」
「だって!蘭だって気になるでしょ?」
「…そりゃ……少しは…」
「私も気になる!!」
そういいカウンターの向かいから梓も興味津々で身を乗り出す。
「彼…ですか?」
「うんうん!」
「居ます…よ?」
そう言う雅の言葉に少しだけ安室の口角が緩み上がった。しかし、その表情も梓の次のひと言で一気に消えていく。
「もしかして…それってこの間初めて一緒に来られた時に居たメガネの人ですか?」
「え!!」
「あの…違います!」
そう否定した雅。しかし、その言葉は届かない。