【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第6章 気付いてくれ
そんな時だ。
ピリリリリ…ピリリリリ……
そんな2人を引き離す携帯のコール音が鳴り響き、降谷はゆっくりと離れた。
「もしもし、あぁ、どうした?……あぁ、解った。すぐに向かう。」
そう言い残して電話を切り、雅に顔を向けるとにっと笑った。
「それ、そのままでいいから…支度しろ。すぐに送ってく。」
「あ…はい」
そうして着替えをして急いで降谷の車に乗り込んだ。
「……あの!降谷さん?」
「なんだ?」
「さっき思ったんですけど…」
「あぁ。」
「…私…自分で着替えました?」
「いや。僕が着替えさせた。」
「…そうですか……ッッ?!?!今!今なんて…?!」
「僕が着替えさせたってところか?」
「そう!!あの…」
「あまり見ない様にしたから気にするな」
(気にするなって言っても…・・最悪…)
真っ赤になったと思うと青ざめたり、声を上げたと思うとしゅん…と小さくなる。それを見て降谷は面白く感じていた。署に着くなり、雅を降ろしてすぐにまたその場から去っていくRX-7を見送る他無かった。
雅はそのまま署内に入って行く。風見もすでに向かっているのか、そこにはいなかった。
「にしても降谷さん、どこに居るんだ?」
そうして検索をする。そう。雅のパソコンには降谷と風見のGPSが反映される様になっていた。その為、パスワードが必須になっている。
「えーっと…6丁目の裏路地…かぁ。風見さんも一緒だったとは…」
しかし、いつ連絡があっても良い様にインカムは装着したものの来る最中に話が無かったのならそんなに大きな案件でもないのだろうを思っていた。案の定、待てど暮らせど連絡は入ってこない。入ってくるとなれば来る最中で待機命令を出して来てたはずだろうと考えていた。
「さてと…それじゃぁ…」
そういって画面を切り替えて雅は自身の仕事に入って行った。