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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第6章 気付いてくれ


シャワーを出た雅はタオルと一緒においてあるメモを見て照れくさくも笑った。

『タオル使って?僕のだが文句を言うなよ?』

「あの…これ…ありがとうございます…」
「あぁ、いいよ。大丈夫だ」
「…!?!?これ…降谷さんが…作ったんですか?」
「あぁ。これくらいは…カフェで働く以上はある程度できないとね…」
「おいしそう…」
「食べていくだろう?」
「いいんですか?!」

嬉しそうに席に着いた雅。2人して一緒に食べだすも、なかなか減らなかった。

「風見にでもやるか…」
「クス…こういう事なんですね…たまに風見さんがおいしそうなのを食べてるので…」
「そうだったのか。」
「そう言えば…降谷さん…」
「なんだ?」
「…昨日…私変な事言ってなかったですか?」
「変なとは?」
「いえ…何もなかったならそれでいいんです…」
「人によって変かどうかは感覚が違うからな、良く解らないがこれと言って特に変な事は無かったはずだが?」
「そうでしたか…それならいいんですが…」
「あぁ…」

降谷はあえて言わなかった。昨日の公園で雅が言った『好き』という事に関して…降谷の中でそれを『変な事』に分類したくないというのも素直な所だった。

「僕はこれから署に向かうが成瀬、君はどうする?」
「私、向うに車置いてあるので電車で行こうかと……」
「なら向こうまで送る。」
「でも…昨日泊めて貰って…」
「今更何の問題がある?」

そう言いながらも笑いかけた降谷の顔にドキリとしていた。御馳走様、といい、雅が片付けをしていると後ろに廻り込んで降谷は体をぴたりとくっつけるように寄り添った。

「あの…降谷…さん?」
「本当に昨日の事覚えていないのか?」
「え…?」
「…フ…まぁいい」
「ちょっと…降谷さん…!!」

くるりと向きを変えてふと顔を上げた時だ。今にも鼻先が触れそうな…吐息がかかる距離に降谷の顔があった。そっと雅の頬に手を添え、親指で頬を撫でる…

「…ッツ」
「覚えていないなら…思い出させてやる…」

そう言いながらもゆっくりと顔を近付けていく降谷。頬にキスをし、小さく笑った。

「クスクス。大丈夫。何もおかしなことは無かったよ」
「…ッ・・じゃ…じゃぁ今の…」
「んー。酒に飲まれた罰?」
「……ッッ」

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