【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第6章 気付いてくれ
こうして翌朝までぐっすりと眠った雅。朝になり、ふと目を覚ますも、頭痛がひどい…
「…最悪…頭痛い…」
ゆっくりと体を起こす…しかし目の前に広がるのはいつもの朝の景色とは違った。
「なに…ここ……一体…」
ベッドがあり、テーブルが1つ。その上にノートパソコンが1台あり部屋の隅にはアコースティックのギターが1本。
「ン…」
その小さな吐息にふと横を見るとどこかで見た様な光景が襲ってきた。
「なんで…!?(昨日は…間違いなく私自分で帰ってない…飲みすぎて…公園行って…その後は?)」
シーツがめくれふと目を覚ました降谷。腕で目を覆いながらも『…ンン!!』と伸びる。
「おはよう」
「お…はようございます……」
「どうした?」
「えと…私…」
「酔いつぶれた。意識無かったろ…」
「…すみません…ご迷惑かけて…」
「迷惑なんて思ってない。それより、初めての時よりも落ち着いてるな…」
「えっと…」
「普通は自分の家じゃない事に驚くはずなんだが?」
そう言えば!!と一気に意識ははっきりとしてくる。
「あのぅ…ここって…」
「僕の家だ。何か問題でも…?」
「問題って…あの…」
「クス…心配するな。今回も何もないから」
「何もって…!!」
「ん?成瀬が考えている様な事だよ」
そう言うとにっと口角を上げた降谷は先にベッドを降りる。シャワーを浴びて数分後、雅にも声をかける。
「せっかくだから浴びてきたらいい。」
「でも…」
「遠慮はいらない。僕もこの間君の部屋で借りたし。」
「意味深すぎますから!!」
そう言いながらも『ありがとうと』返してシャワーを借りることにした。浴室はさっき降谷が使っていたまま、床も流れたお湯で濡れていた。室内は降谷の使っているシャンプーの香りで充満していた。
「(ヤバい…)酔いそぉ…」
そう言いながらもドクドクと五月蠅い鼓動を鎮めようと必死だった。その頃、降谷は朝食を作っている。
「本当に覚えていないのか…?」
そう呟きながらも目一杯に作って行く。あれもこれもと大量に作る。野菜のサラダをはじめと様々に食卓を埋め尽くしていった。