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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第5章 カンパリのキス


そんなことを考えていると、直に場所の特定もされる。そう、その場所は少し薄暗いものの雰囲気のいいと評判のバーだった。こうして時間も過ぎて行く。車はおいて行こう…そう思い雅は置いて行く事にした。バーなら当然だろうと…

入り口では降谷が立って待っていた。

「やっと来たか…」
「もしかして私が最後ですか?」
「まぁそうなるな。風見は先に入ってトイレ、だそうだ。」

そういい雅を連れて降谷は入って行く。パタパタと後に着いて雅も入る。

「いらっしゃいませ。3名様で宜しいでしょうか?」
「はい」

そうしてカウンターに着いた。

「すみません、降谷さん。あ、成瀬。お疲れ」
「お疲れ様です。」
「今日はいつも頑張ってくれている君たちに感謝の思いでね。好きに飲んでくれ…」
「ありがとうございます。」
「何に致しましょう?」

そうバーテンダーに聞かれてそれぞれ頼む。しかし、雅は戸惑っていた。なかなか来た事もない。それ故に頼みなれてもいない。

「…クス、彼女にカンパリオレンジを…」
「かしこまりました。」

そうして全員が頼み終わった後、それでも雅は戸惑っていた。間に風見が居てくれるからまだいいのだが…そう思いながらも出されたカンパリを見てひと言『キレイ…』と呟いていた。

「どうだ?甘いだろ」
「はい!すごく飲みやすい…」
「良かった。」

クスリと笑う降谷。しかし、30分程した頃だった。風見の携帯に着信が入る。

「すみません…ちょっと…失礼します」

そういう風見のスーツをキュッと掴む雅。

「や、成瀬。俺電話だし。」
「…うぅぅ」

そうしてゆっくりと手を離して風見を解放した雅は1席分空いた右横に温かくも緊張が走っている。それを紛らすかのようにカクテルを飲んでいく雅。それに相反して風見のグラスは全く空いていない。つまみのチョコレートだけが数枚減っただけだった。しかし数分経っても風見は帰ってこない。

風見が居てくれたから平静を保てれていたのに…

(…誰よ…!!!電話かけてくるのは!!!)

そう思いながらも気付けば雅は3杯目かのカンパリを口付けた。
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