第24章 接触

「まぁ…止めませんけど…あなたが珍しい…」
「そんな事は無いと思うけど？取りあえず次の約束も出来たし…」
「次…ですか？」
「えぇ。私の愛車で少し遠出に…」
「……本気ですか？」
「えぇ。もちろん」

そう会話が続く中、バーボンは雅の手からショッパーを取り、車の後部座席に積んでいく。

「あ…ありがとう…」
「いや、大丈夫。先に乗ってろ」
「…うん、ベルモット？」
「なぁに？」
「今日はありがとう。沢山…それじゃぁ、また今度」
「えぇ。楽しみにしてる」

そう言い終わると雅はRX７に乗り込んだ。そうしながらも、バーボンとベルモットは話している。

「……・・・それじゃぁ。」
「えぇ」

そうしてようやくバーボンも運転席に乗り込むと車を発進させた。帰りの車中では、降谷は雅に問いかけていた。

「本当にベルモットに気に入られたな」
「……そうかな…」
「一気にそこまで彼女を引き付けるとは…恐ろしいな」
「そんな事ないよ…いつも通りにしてただけなんだけど…」
「でも、今度ベルモットの愛車で出かけると言ってたけど…」
「そう。でもなんでかパンツで来いって…」
「そりゃそうだろうな…」
「何で？」
「彼女の愛車は黒のハーレーだ。」

その答えを聞いた雅は返事が出来なかった。恐らく車だろうと思っていた為、まさかハーレーが来るとは思っても見なかったからだ。

「ハーレー…って。ハーレーってあのハーレーダビットソン？！？！」
「…それを聞いて無かったのか？」
「うん…」
「まぁ、しっかりとつかまっていれば振り落とされる事は無いだろう」
「……絶叫とかみたい…」
「近いかもな」

そう話しながらも雅の自宅に送り届けた降谷。降ろして荷物を運ぶのを手伝っている時だ。

「……ねぇ…零？」
「なんだ？」
「その…」
「ん？何？」

玄関口まで来た時、雅は降谷に問いかけた。

「時間…少しある？」
「まぁ、少しなら。どうした？」
「…少しだけでいい…一緒に居たい…」

そう雅に言われて降谷が拒むはずもなく、一緒に家の中に入って行った。

「どうした？」
「……ううん…なんか…零に会ったら…一緒に居たくなった。」

そう言いながらも、雅はキュッと降谷の服の裾を握りしめていた。



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