【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第4章 何で泣く?!
そう話していると不意に雅の携帯が鳴った。
「はい!成瀬……え?…はい…今からですか?はい…」
「……どうした?」
「召集かかりました。行ってきます。」
「おい!これ!!」
「保存だけして切っておいてください!!すみません!!」
そう言い残して雅は鞄と上着を持って急いで部屋を後にして階段を駆け下りていった。
ぽつん…と残った風見はパソコン画面を見つめながらもマウスを動かしている。
「相変わらず、完璧な仕事だな…」
そう呟いて保存をするとシャットダウンをした。雅の飲みかけのコップを洗い、臥せると一旦メガネを外してため息を1つついた。
「降谷さん位自分の気持ちに素直になったらとっくにいい感じになってるだろうに。(…というか…成瀬は恋をした事があるのだろうか…)」
小さくも大きな疑問を抱きながらも最終点検をして風見もまたその場を後にして出て行き、車に乗り込むと小さく笑いながらもエンジンをかける。
「成瀬がアレが恋だって気付くのはいつの事だか…」
そうして車を発進させて家路に向かった。
一方の雅…
降谷に呼び出されて降谷に呼び出されて雅は署からもほど近い、広場に向かった。車で10分程の広場。それなりに駐車スペースもある。時間も遅いためか駐車場は広々と感じた。そんな中に1台の白い車が停まっていた。
RX-7…降谷の愛車だ…
雅は車から降りてコンコンっと軽くノックをすると運転席からすぐに降谷は降りてきた。
「遅かったな。」
「すみません…仕事が残って…」
「それは君の仕事か?成瀬」
「……それは…」
「どうせ、僕の仕事だろう。」
(解ってて聞くんですか!?!?)
「…助かるが、それでは君の体が持たない。」
「そんな事は…」
「…ここで立ち話もなんだから…移動しよう」
そうして夜風を感じながらも広場内を歩く。その間も2人の間に会話は無かった。
展望もいい眺めを見せてくれるところに上り、柵に凭れながら降谷は聞いた。
「回りくどいのは好きじゃない。」
「…はい」
「最近僕を避けてるか?」
「そんな…」
「それじゃぁ、僕の思い過ごしか?」
そう問い続ける声が何故か雅には重く感じた。