【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第3章 むぅぅぅ…
「あ…ありがとう…」
「いえいえ…」
そんな2人を見ていた降谷もまた苛っとしている。それでも顔には出さない様にしていた。
「そう言えば…風見さんって彼女居ないんですか?」
「ぶっ!!ゴホ…なんだ!急に!!」
「いえ、いつも降谷さんって言ってるから…もしかして降谷さんと風見さんデキてるのかな…って」
「それ本気で言ってるか?」
「わりと…だって…降谷さんも女っ気ないし。」
『うっそー!!安室さんかっこいい!!』
『いえいえ…そんな事ないですよ?簡単ですよ』
『でも安室さんみたいにおいしく出来ないかも!作ってきたら食べてくれますか?』
『はい!もちろん。喜んで』
「…嘘…前言大撤回…!あの人は居るな…間違いない。」
「いや、俺が思うに居ないと思うが…」
「だって…あんな風に女子高生ですら手玉に取って…!!もう…最悪…」
さっきまでの勢いはどこへ行ったんだ?
そう風見も感じていたが口には出さなかった。もやもやしている雅を見ながら、風見は降谷に目線をやるもなかなかなハーレム状態だった。
(あの人は…そんなだから本命に想いが伝わらないんじゃないか?)
そう思っていた。ズズッという飲み終わりを知らせる水音をさせた雅をみて「そろそろ行くか?」と声をかけた風見。小さく頷くとすっとオーダー表を取り風見は一足先にレジに向かった。
「ありがとうございます」
そういってレジをしたのも先程まで女子高生と話していた安室だった。
「では、おつりですね」
「御馳走様でした」
「…御馳走様……・・」
2人はまたしても軽いチャイムを鳴らしながら外に出て行った。風見の車に乗り込んで雅は署まで送ってもらいそのまま帰る事にした。その帰りの道中も何故かしょんぼりしている雅。
「成瀬?」
「……ほっといて下さい…」
「ハァ…(こりゃ、重症だな…)」
それ以降は風見から話しかける事もなく署に黙々と向かい案外早くについた。
「それじゃぁ、気を付けて帰れよ?」
「はい…御馳走様でした…」
「また」
「はい、お疲れ様です。」
ペコリと頭を下げて風見は署内へ、雅は車を乗り換えて帰宅の地に向かった。