【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第21章 レフティーの重き代償…
トマラナイッテ……ナンデ…・・・?
不安と恐怖が一気に押し寄せてきた雅。ゆっくりと唇が言葉を紡ぎだす…
『止まらないって…』
「最後の1本を切り終えても、残り2本の黒い線…どちらかを切らなくてはだめらしい。」
『黒って…』
『降谷さん!』
「…クス、頼むから2人同時に話すな」
『今ブリッジに向かっています!』
「無理するな。」
『成瀬!どうにかならないか?!』
そんな風見の問いかけに雅の返答はなかった。
『成瀬?!…成瀬!!!聞いてるか?!』
「…風見、もういい。あれほど言ったのに…すぐに署に戻ってくれ…」
『降谷さん?』
「残り13分…急いでくれ(…松田…こういう時、どっちを切ったらいいんだろうな…)」
ゆっくりと瞼を閉じる降谷。1つ大きく深呼吸をしていた。
――――――・・・
一方雅はというと、他の刑事が取り調べをしている水野の元に向かっていた。
「失礼します。」
「あ、さっきの…」
「成瀬、今ここは『教えて』……ッッ」
「突然来て何?」
「東都とベルツリーの2本のタワーの爆弾は解除できた。レインボーブリッジ…2本の黒い線!どっちを切るの?!」
「…そっか。2つの爆弾解除出来ちゃったんだ。…はは、でもそれも想定内!」
「笑いごとじゃないの。早く『それって…!!』…え?」
「橋に居るのって…、降谷さんでしょ。」
「何言って……」
「隠さなくていいよ。2つのより、大きなものだって事位は予測が簡単につくもんねぇ。そうしたら、同然でもあの人は橋に向かう。だから俺は『教えなさい!!』……案外怖い?でも俺、そう言うの嫌いじゃないよ?」
「お願いだから…教えて…早く…ッッ」
「どうしても教えてほしいの?」
「……えぇ」
「それは降谷さんが居るから?」
「……早く…」
「だったら脱いでよ。脱いで『お願いします』って言えば教えてあげる。」
数分前に感じた胸の高鳴りとはまた違う…緊張が走る鼓動の高鳴りだった。追い打ちをかける様に水野は続ける。
「スーツ脱いで土下座したら教えてあげるよ。」
「……ッッ」
「成瀬、しなくていい」
「いいのぉ?どっちか正解切らないと降谷さん、花火みたいに散っちゃうよ?」