【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第20章 レンタル彼氏…?
「…何か、お母さんみたいな?」
「似てるかもしれません。」
「それで?」
「人の痛みを自分の事の様にとらえて、泣いてしまう事もあったりしてますね。その割に意外と強い…」
「なんだか…難しそうな人ですか?」
「そんな事ないよ。結構解りやすい。怒っているとか、機嫌悪いとか…その逆にすごく幸せそうだなとかもね。喜怒哀楽がはっきりしてるからかな。」
「へぇ……クス、でもなんか安室さん、幸せそうですね」
「そうですか?」
「はい、今までそんな優しい顔あまり見た事ないですから。」
「…ッッ」
頬をカリカリと掻きながらも、今度は梓に聞いていた。
「梓さんは?彼とか居るんですか?」
「いえいえ!そんな!!!いないですよ…」
「好みのタイプとか」
「もぉ!私の事は良いんですって!」
「…それってなんか僕だけ聞かれてズルくないですか?」
「だって、安室さんは居るんでしょ?私は居ないもん」
そういう梓は少し膨れた様子を見せていた。
「そんなに怒らないでくださいよ」
「別に怒ってませんけど?!」
「クスクス…ほら、パスタ。来ましたよ?」
そう促して2人は食事を楽しんだ。そこから移動をして、開場より1時間ほど早くついてしまった2人。
「他に行くところとか、良かったんですか?」
「はい!!こうして待つのも醍醐味です!」
「それならいいんですが…」
梓の嬉しそうな顔を見て安室もまた笑い返す。入口で待っている間に行き交う女性が何人も安室を見ては振り返っている。
「やっぱり安室さん…目立ちますね…」
「そうですか?」
「はい…皆見てるんですよ?」
「でもカップル限定のイベントに来てる方が僕の事なんて振り返りますかね」
「見てるんです!ポアロに来るお店のJK達だって言ってるじゃないですか!イケメンだって!」
「そう言われても…」
「自覚が無いのってほんと、困ります」
「……フフ、そんなに怒らないでくださいよ」
そういうと安室はそっと肩を抱いて梓を抱き寄せた。突然のことで少し驚いた小宮だったがそのすぐ後の南の言葉で少しそのままでいる事にした。
「皆、不振そうな目で見てますよ?梓さんがそんなヤキモチ妬くので…」
「…ッ……そうはいっても…」
「ほら…もう少しこっちに…」
そう言う安室の腕に少しだけ力もこもる。そうこうしていると開場の時間になった。