【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第20章 レンタル彼氏…?
「填めてもいいですか?」
「どうぞ?」
そういい安室にブラックとシルバー基調の物を渡し、自身はピンクとシルバー基調の物を填めた梓。
「なんか…不思議な感じですね…」
「そうですか?」
「そりゃ…そうですよ。でもこんな所お店の常連JKに見られでもしたら…安室さんも気を付けてくださいね?」
「梓さん?」
「はい?」
「…今日1日は僕の事名前で呼んでください?」
「え?」
「だって、1日だけの限定とはいっても恋人なんでしょう?」
「でも…それじゃぁ…」
「問題でもありますか?」
「いいんですか?」
「えぇ。それと敬語も禁止」
「それは安室さんだって同じですよ?」
「安室さん?」
「あ…それじゃぁ…えと…透さん」
「ん。」
にこりと笑う安室の顔はいつも店で見慣れているはずなのに…梓の眼にはいつもと違う様に映っていた。
「これから時間、どうしましょうかね…」
「そうですね…」
「何か見に行きたい所とか…ありますか?」
「…んー……秋物!ちょっと見に行きたいんです!」
「それじゃぁ決まりですね。行きますか」
そうしてほど近いショッピングモールに移動した。色々と見て回っている内に時間もちょうど昼食の時間に差し掛かる。何を食べたいか安室は梓に問うと、迷った挙句にスパゲッティと答えが返ってくる。他の所のパスタがどんな味なのか…!と意気込んでいる梓に、安室は小さく笑った。
「梓さんは本当に研究熱心ですね。」
「そうですか?」
「はい。いい奥さんになれそうです」
「ちょ…っ!!ダメですってば!!」
「クスクス、そうでしたね。でも、どんなパスタも梓さんの作るカラスミパスタには適いませんよ?」
「そんな…おだてても何も出ません!」
「本当ですよ?」
注文をして、待っていた。その間に色々と梓は安室に聞いていた。
「そう言えば…」
「はい?」
「安室さんの彼女ってどんな方なんですか?」
「どんな…ですか」
「彼氏役ってだけでもこんな風にしてくれる安室さんの相手っていったらいろんなことしてあげたくなっちゃうくらいな人何だろうなぁって思って…そうしたら、どんな人何だろうって思って…」
「そうですね。泣き虫で、意地っ張りで、強がってしまう。それでいて僕が少し不摂生だったりするとすぐ怒ってくる。『休んで!!』とかね。」
そう安室は雅を思い浮かべて1人で小さく笑っていた。