【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~
第20章 レンタル彼氏…?
「全く…彼氏と言ってもレンタルだっていうのに…」
そう呟いていた。頭を掻き、どうしたものかとため息交じりに天井を仰いだ。
その頃の雅はむぅぅぅと膨れながらも落ち着かない様子で1人怒っていた。
「何よ!!そんなホストみたいなこと…ってか!私の彼なのに…そりゃその日私は仕事だけど!!普通他の子とデートしに行くって報告要る?!1日限定でも彼氏になってって言われたらなるってのおかしくない?!?!」
そう荒れていた。はぁ…っと1つ息を吐く。
「何でそんなに優しいのかな…安室透は…そりゃ…演じてるとはいっても…それにこの間『俺の体は1つだから3人も相手はもたない』って言ったのはどこの誰だったんだか…」
そう呟いたものの、座り込んでしまった。そんな時だ。降谷からメールが届く。
『雅は仕事だろ?何かあれば連絡してくれて構わないから。』
「…――――ッッ!!!!!何よ!!!この鈍い男は!!」
精いっぱいだった降谷のメールも雅には火に油状態になっていた。
『その日業務連絡以外はなんにも連絡等しませんので!どうぞごゆっくりと堪能してきてください!!』
そう入れてぽいっと携帯を放ってベッドに突っ伏した。
翌日、降谷はネットで1組のブレスレットを注文している。雅に、というのもではなく、約束をしたからにはとイベント用の為だった。到着は梓との約束の1日前。ポスト投函の為不在でも問題は無かった。
そんな頃、署内では雅に風見が声をかけていた。何か怒って居るでもなければ調子が悪い訳でもなさそうなんだが…気になって仕方が無かった。
「…成瀬?どうかしたか?」
「別に」
「なんか全然『別に』って顔してない気がするが…」
「…だって…聞いてくれますか?」
「あ…あぁ…」
「彼女いて、レンタル彼氏なんて引き受けますか?!」
「…・・・」
「聞いてます?」
「…誰の事言ってるんだ?」
「誰?!私がこんなに怒ってるのに!誰って…」
「まさかと思うが…降谷さんか?」
「それ以外にいますか?」
「いや…そんな事…」
「あるんです!」
言うだけ言うとはぁ…っとため息を漏らした雅。その様子を見て少し風見は困惑していた。