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【降谷零】意地悪すぎだよ!降谷さんっ!!~翻弄しすぎの上司~

第19章 遭遇


そういって余裕を見せる降谷。雅はそんな降谷に対して俯きながら言葉を放つ。

「でも…良く蘭ちゃんや園子ちゃん、梓さんにも可愛いって言ってる…」
「それは『安室』がな?」
「なんか…それズルい…」
「ズルいか?」
「ズルいでしょ…だって、そう言ったら零の恋人、安室さんの恋人、バーボンの恋人って…3人に同じ事言える…」
「残念だけど…俺の体は1つしかないからね…3人は相手に出来ない」
「…ッ」
「それに…俺には命に代えても守らなくてはいけないものがある。ただでさえ其れが増えた。これ以上は身が持たないさ」
「え…」
「この日本と…雅さ」

そう言うと照れくさそうに鼻をくいっと擦りハンドルを持った。

「…零…」
「なんだ?」
「……零の事、守るのに私じゃ力不足だと思う…それに私じゃなくても零なら何とでも出来ると思う…」
「雅?」
「でも…でも零の心…それは私に守らせて…?淋しいとか…しんどいとか…そういう時には真っ先に私のとこに来て…何があっても、私は零の心にいつもいるから…」
「……全く、君という人は…」
「…おかしいかな…」
「…初めてだよ。誰かに『守る』と言われたのは…」
「…零?」
「解った。心置きなくいつでも任務にあたれる…どんな事でも。君がいてくれるなら…」
「……ッッん」
「ところで…」

そう言うと降谷は雅の俯く横顔に向かって問いかけた。

「ベルモットに本当に何もされてないな?」
「え…うん……特に…」
「特にって…」
「逃げようとした時に腕掴まれた位…」
「何で逃げようって…」
「や…なんとなく…危なそうだったし…」
「そっか…解った」
「ねぇ…これからベルモットさんに会わない方がいいのかな……」
「会うにしろ会わないにしろ、コードネーム貰った以上彼女のお気に入りになったわけだから並大抵の事では逃げられない」
「……どうしよう…」
「気にするな。電話番号、教えてないんだろ?」
「うん」
「…だとすると、俺の方に入ってくる可能性が高いからな…」

そう言いながらも降谷は『心配するな』と不安そうな雅に言い残して車を走らせた。
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