第8章 六人目のマギ シンドリア [完]
『えー"シャルさん"かぁー』
笑いながらどうしよっかな~っと片足をフラフラさせる。
アリ「お、おい!」
アリババは慌ててを隅に追いやり話しかける。
『なぁに?"アリババくん"?』
アリ「師匠は怒ると怖いんだぞ?黙ってシャルさんって呼んでおけって!」
目線までしゃがみ両肩を持ち言う。
『でもシンはシンって呼んでいいって言ったわ!』
肩の手を払い除けながら言う。
アリ「シンドバットさんはそうでも師匠の事はな!」
そこまで話してると後ろから影が差した。
アリ「し、師匠ぉ……」
たらりと汗を流すアリババ。
シン「アリババァ?ちょいとそこどけ。」
低ーい声でアリババに声かける。
アリ「し、師匠…もうちょい時間頂けましたら言い聞かせますんで!」
お、落ち着いて…と手で制す。
シャル「大丈夫、落ち着いてるてぇ、な?そこどけ。」
座った目でアリババを見る。
アリ「ぇええ…(絶対怒ってるよ…この人!)」
ガッとアリババの片肩を掴むと思いっきり横に退けた。
シャル「嬢ちゃんよお?」
『嬢ちゃんって名前じゃないわ!よ!!!』
目の前にしゃがむシャルルカンの言葉遮り言う。
シャル「…よぉ、中々根性あるじゃねぇか?だがな?
明日からジャーファルさんの政務官補佐として仕事をするんだろ?
俺の方が先輩って訳だ。分かるか?」
『シャルも政務官なの?』
シャル「俺は政務官じゃあねぇが八人将の一人なんだぜ?」
『八人将?』
シャル「なんだ、知らないのか…ジャーファルさんだってその一人なんだぜ?」
『ジャーファルも…』
シャル「八人将はシンドリア王国内で最強といわれている8人の戦士たちのことで有事には先頭に立ち戦うんだぜ?」
『そうなんだ!でも私は八人将じゃないし…』
シャル「それと!俺の方が"年上"だぜ?」
これがシャルルカンの最後の一撃だった。
『んー…じゃ。シャル兄で!さんイヤ!なんか仲良しになるのに…遠く感じるわ…』
シャル「まあまあだな…いいよ、シャル兄でも…」
立ち上がると自分の頭の後ろに手を置く。
シャル「それに、おら…追加の客人だ…」
シャルルカンは横を向く。