第7章 美しき暗殺者 シンドバット [完]
シン「……一体何が嫌なんだ…」
眉を下げ困り顔をするシンドバット。
ジャー「…………ハァ…匂いですよ、今の貴方は他の女性の香の匂いが強く。この距離でも分かります。」
暗殺者は鼻が良いですからね…とシンドバットに言う。
シン「匂い…」
自分の服の匂いを嗅ぐと"なるほどな"と呟く。
ジャー「分かったのなら風呂でも入って服を着替えて出直す事ですね。」
後ろ向き部屋へと向かうジャーファル。
シンドバットは何も言えなかった。
_____ジャーファルの部屋
ジャーファルは扉開けを長椅子に座らせる。
の頭に乗せたクーフィーヤを取る。
ジャー「大丈夫ですか?」
床に片膝を折り椅子に座るを見つめるジャーファル。
『だい、じょうぶです。』
目を赤く腫れあがらせジャーファルを見つめる。
『ジャーファル、ありがとう…ございます。』
ペコりと頭を下げる。
ジャー「いえ、いいんですよ。今回は毎度の事とはいえシンが悪いですから…」
目から流れ落ちてく雫を指で掬う。
『ジャー…ファル』
更に瞳に涙の膜がはる。
ジャー「……」
ジャーファルの手がの頬に触れる
バタバタバタバタバタッ_____
物凄い勢いで走る音がする。
バンッ_____
シン「ッ!!!」
部屋の空気と共に石鹸の匂いが流れ込んでくる。
ジャー「早かったですね。思わず手を出しちゃうとこでした。」
頬に触れていた手を離し立ち上がるジャーファル。
シン「ジャーファルッ!!!」
怒りを見せるシンドバット。
ジャー「怒らないでください。手なんて出してませんよ。それに貴方は今回怒る資格はありません。」
女性を泣かすなんて…とピシャリと言うジャーファル。
シン「…………クッ」
返す言葉もないシンドバット。
『もう、いいですから…』
俯くが言う。
ジャー「…」
切なげにを見る。