第4章 皇女と覇王 [完]
桜蘭帝国___宴の間
牡丹「いやぁー、七海の覇王様とお話出来るとはこの牡丹夢にもみなかったわい。」
嬉しそうに椅子に座り隣に座るシンドバットを見る桜蘭王国国王牡丹(ボタン)。
シン「私も桜蘭帝国の国王様と会談出来る機会を頂き嬉しく思います。」
ニッコリと笑みを浮かべ牡丹と笑い合うシンドバット。
シン「この国では幼少期は花の名前がつけられるのですよね?」
酒の入ったコップを置き牡丹に問うた。
牡丹「流石はシンドバット王お詳しくいらっしゃる!!!
妃は薔薇を名に持つのだ!!!子供達や侍女達も皆同じだ!」
酒の入ったコップを持ちながら手を上にあげ説明する為娘達を呼ぶ。
牡丹「娘は10人おってな?
下から行こう…
コスモス 、チューリップ、桜、紫陽花、彼岸花、胡蝶蘭、ダリア、ジャスミン、アネモネ、あとは〜」
呼ばれた順にシンドバットに頭を下げていく。
『わたしをお忘れですか?父様』
部屋の角から顔を出し歩み寄る。
牡丹「おお~我が国第一皇女よ!!!」
コップを置きに駆け寄る為台座を降りる牡丹。
『父様ずいぶんと酔われてますね?お酒は程々になさって下さいませ。』
膝を軽く折り頭を下げる。
牡丹「あぁ、分かったよ…シンドバット王よ!第一皇女のクロッカスだ!!!」
うちの娘達の中で1番顔立ちが優れていてな!とシンドバットの前にを立たせる。
シン「確かに、美しい…」
立ち上がりの手を取る。
シン「色美しい花々に囲まれてなおも際立つ美しさ今宵貴女と出逢えたこと嬉しく思います。」
手を取ったまま礼をするシンドバット。
『お褒め頂きありがとうございます。
本日は桜蘭帝国に脚を運んで頂き感謝致します。
シンドリア王国国王シンドバット王様と謁見出来ましたこと感激で言葉もございません。』
手を取られたまま両足を軽く折り頭を下げる。
シン「あ、あぁ…ありがとうクロッカス姫。」
自分渾身の口説き文句が空振り戸惑い言葉をつまらせてしまう。
『本日は御宿泊との事何かありましたら私の侍女である霞草をお使い下さいませ。』
スルリとシンドバット手から手を抜き霞草を呼びつけた。
霞「侍女の霞草でございます。ご髄にお使い下さいませ。」
霞草と二人でシンドバットに頭を下げる。