第4章 皇女と覇王 [完]

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退屈そうに神輿に乗る

不意に耳をすませると雨の音が聞こえた。

『霞!!!雨が降っているのか！？』

神輿越しに外にいる侍女に話かける。

霞｢はい、降っておりますよ？｣

『なんでもっと早く言わないのだ!!!』

神輿から顔を出し外を眺める。

霞｢皇女さま!!神輿から顔をお出しにならないで下さい!!!｣

お顔が濡れますｯ!!!と侍女が顔出してるに声をかける

『良いではないか!!こんなに強く降る雨など桜蘭じゃそうは見られん!!!』

神輿を下ろせｯ!とは担いでる男達にそう言いのけた。

男達｢で、ですが皇女さま…これから国王様と会談がｯ……｣

『会談までまだ時間はたっぷりある!!!えぇい!もう良い!!』

男達の肩まで上げられた神輿から飛び出す。

綺麗に両足で着地して来ていた服に泥がはねた。

霞｢ああ!!!皇女さまお召し物がｯ……!!!｣

侍女がすぐ様駆け寄る。

『なぁに、気にするな!ただの移動着ではないかｯ!』

脛まで布をたくし上げ庭を駆ける。

『恵みの雨じゃ…気持ちの良いのぅ？霞(ｶｽﾐ)！』

たくし上げていた手を離し両腕を大きく横に広げながら侍女に笑いかける。

霞｢皇女さま…あぁ…｣
すでにずぶ濡れの皇女を見てか肩を下げる侍女、霞。

『後で着替えれば父様も気づくまい！！』

後ろに腕を組みながら裸足で庭を歩く。

すると紫色の長髪の男と白い頭の男が目に入った。

片手を前に出し紫色の長髪男が｢雨が気持ちいいな｣と隣に控える白髪の政務官服を着ている男に伝えたいた。

ｼﾞｬｰ｢何馬鹿なこと言ってるんですか？｣

置いていきますからね!!と先を行に行ってしまう白髪の政務官。

??｢なっ！？待ってくれ…あぁ、本当に置いていかないでくれ!!!ジャーファル!!!｣

白髪の政務官の背中を必死で追う紫色長髪の男。


霞｢皇女さま!いい加減になさらないとお風邪を召します～!!｣

半泣き状態の霞の声に意識が戻る。

『今戻る。』
そう伝えるや否や神輿に向かい走る。

神輿中で頬杖をつき自分と同じ言葉発した紫色の…菖蒲(ｼｮｳﾌﾞ)の花の様な男だとは心弾ませるのであった…。

菖蒲の花言葉"貴方を信じます"