第19章 神隠し シンドバット [完]
『大丈夫…ありがとうシン。』
振り払われたを手を撫でる
シン「ともかく、彼女は罪人だ。連行する。」
シンドバットは女の手首を掴む。
ジャー「見つけるのに苦労しましたよお二人共…」
シン「ジャーファル!?」
ジャー「徹夜をしているかいがありましたね。
走っていくシンを見て追いかけてきたんですよ。」
まだ政務服姿のジャーファルが言う。
シン「そうだったのか…」
『助かるわジャーファル。』
ジャーファルに微笑みかける。
ジャー「見たところその女が主犯ですね?」
ジャーファルは持っていた縄で女を縛り武器を取る。
ジャー「八芒星…迷宮攻略者ですか……」
ジャーファルは女を見下ろす。
シン「あぁ、迷宮生物を連れて戻ってきたらしいんだ。」
ジャー「迷宮生物を?」
『迷宮生物が女子供を呼び寄せ食べていた…女は神隠しを装って迷宮生物にエサを与えていた。』
シン「そういう事だ。」
シンドバットは腕を組む。
ジャー「なるほど、大罪人ですね。」
ジャーファルは縛った縄を引っ張り女を立たせる。
ジャー「この女の処理はおまかせを。」
そう言うとジャーファルは女を引っ張り先に歩いていった。
『私達も行きましょう?シン?』
はジャーファルを追うようにして歩き出す。
シン「……待ってくれ。」
シンドバットはを引き止める。
『なぁに?どうしたの?』
は振り返り止まる。
シン「君は裸足だぞ…」
シンドバットはへと近寄っていく。
シン「その状態で帰らせられないな…」
シンドバットはを姫抱きにする。
『大袈裟ね、ここに来るまでずっと裸足だったみたいだし大丈夫よ?』
シン「知らぬ間に怪我をしてるかもしれない。帰ったらちゃんと見てみよう。」
シンドバットは姫抱きにしたまま歩き出す。
『うちの旦那様は過保護ね…』
シンドバットの腕に収まりながらそう呟いたのであった。
[完]