第16章 記憶がなくても… シンドバット [完]
は用意された客室で一人でいた。
『大丈夫、私を忘れてもシンは変わらない。』
私が居なくても平気。と自分に言い聞かせていた。
コンコン____
下女「様お食事の準備が出来ました。」
頭を下げた下女が部屋来た。
『ごめんなさい、体調が優れないから今日はいらないわ。』
と断る。
下女「もう三日も食事を取られていません。何か果物でもお持ちしましょうか?」
下女は気遣い言葉をかける。
『ごめんなさい。ホントに何も食べたくないの。』
目を瞑り首を振って断る。
その言葉を聞くとそうですか…と下女は扉を閉めた。
コンコン_____
『どうぞ。』
ジャー「失礼します。」
『ジャーファル様…八人将とはあまり接点を持たない方が…』
椅子から立ち上がって礼をとる
ジャー「今はシンは職務中です。なので気遣いは不要です。
あと、その八人将を代表して来ました。それよりも…三日何も食べてないんですね…どうして食事を取らないんです?」
『お腹が空かないんですわ。』
気遣いは不要ですの言葉を無視し敬語を続ける。
ジャー「あなたは昔から変わりませんね。"一度決めたら最後まで"」
『それが今はシンドバット様の為です。』
ジャー「食事を取らない理由にはなりません。」
『…それは……』
ジャー「シンと会うのが怖いですか?」
『…………。』
ジャー「図星の様ですね…
そろそろあなたが食事を取られていない事不審に思いますよ。」
『…昔から食が細いとでも言っておいて下さい。』
ジャー「全く食べてない人を食が細いとは言えません。」
『あなたには口では勝てそうにありませんね。』
ハァーとため息を吐く
ジャー「夜には部屋にお粥でも用意させますので必ず食べてください。」
それでは。とジャーファルは去っていった。