第16章 記憶がなくても… シンドバット [完]
お粥を食べたは夜外に出た。
『満月か……』
は空を見上げ庭に歩く。
花の周りに座ると花かんむりを作り始めた。
昔_____
シン「は花かんむりが作れるのか!」
『何かと不器用ですがこれだけは作れるんです。』
は花を編んでいく。
シン「他に得意なことは?」
『きっと笑われますわ。』
シン「笑わないさ、言ってごらん?」
『……魚釣りですわ。』
シン「ぶふっ…ははは…」
シンドバットは吹き出した。
『なぁッ!!!笑わないっていったのに!!!』
はシンドバットの方へ身を乗り出し怒る。
シン「まさか姫から魚釣りとは…ハハッ……いや、元漁師としては嬉しくてね…」
『もうッ!!!あのエサに食い付いた感じが堪らないですのよ!』
そう言いながら花を編んでいく。
シン「普通に話してくれ。その方が嬉しいね。」
『そう?ほら、出来たわよ…』
両手手のひらには花かんむりが出来上がっていた。
シン「おぉ!凄いなホントに花かんむりだ!!!」
『そんなに感激しなくても…欲しいなら上げるわ!』
でも男の方に花かんむりなんで嬉しく…と言い終わらないうちに
シン「ん!」
シンドバットはいつも頭にのせてる布を取るとに頭を差し出す。
『ホントに変わったお方ね!』
パサッとシンドバットの頭に花かんむりをのせる。
シン「からの初めての贈り物だな!」
大切にする。と花かんむりに触るシンドバット。
『大切にって……』
シン「ドライフラワーにしてしまっておく。」
ニッコリと笑い言うシンドバット。
『いつでも作るわよ…』
照れたように言う。
シン「初めてが肝心なんだ!」
だから宝物にするんだ!と笑う。
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『あの花かんむりホントに大事に取ってあるんだから驚きよ…』
キュッと締めに編んだ花を輪っかにする。
『でも今は、残念ながらあなたの行く宛は無いわね。』
両手手のひらには花かんむりを見る
シン「なら、俺にくれないか?」
カサッと音と共に声がかかる。