第15章 愛し君に… シンドバッド [完]
「熱も下がりましたし…もう大丈夫ですよ!」
女医は聴診器を外すとそう言った。
シン「よかったな、!」
『うん!』
シンドバットの膝に乗り頭を撫でられながら嬉しそうする。
その尻尾はシンドバットの手首に絡んでいた。
ジャー「尻尾あったんですね…」
シンドバットの手首に絡む尻尾をマジマジと見るジャーファル。
「触れないことをオススメしますよ?」
女医はすかさずジャーファルに言う。
ジャー「何故です?」
不思議そうに女医へ尋ねるジャーファル。
「今は春。猫は発情期の時期ですから…」
求められますよ?と言う女医。
ジャー「シンまさかッ……」
サァーッと青ざめるジャーファル。
シン「知らなかったんだ!仕方ないだろう?!触ってから思い出したんだ!!!」
シンドバットは手首に絡む尻尾を見ながらジャーファルに言う。
『ん〜〜〜〜♪』
スリスリとシンドバットにマーキングする。
「完全に的になりましたね…」
女医はザックリと言葉を放つ。
ジャー「馬鹿な人ですね…」
シン「ジャーファルも知らなかっただろう!?」
呆れた目で見られシンドバットはやけくそにそう返す。
ジャー「シンが好きですか?」
の目線に合わせてしゃがみこむジャーファル。
『すき。大好きなの~♪』
スリスリとシンドバットの身体に自分の身体を擦り付ける。
ジャー「そうですか。」
そう言うとジャーファルは立ち上がって"シン諦めて下さい"と言う。
「乙女心を蔑ろにしないくださいね。」
シンドバットにニッコリ笑いかける女医。
シン「あぁ、分かった。」
項垂れながら返事をするシンドバット。
『シンはのこと嫌い?』
シンドバットを見上げながら問う。
シン「嫌いなわけないだろ?」
『じゃ、好き?』
嬉しそうに耳がピョコピョコ動く。
シン「あぁ、好きだよ…」
シンドバットはニッコリ笑いかける。
『シン…作り笑いしてる…』
はしょぼんと耳を垂らす。
シン「えぇ!(何でバレるんだ。ほかの姫には通用するのに…)」