第15章 愛し君に… シンドバッド [完]
パチッ_____
が目を覚ました。
『さっきよく見えなかったけど今はシンがよく見える。』
頭を上げシンドバットを見つめるは再び顔を下ろしシンドバットの胸へと顔を寄せる。
『あたたかい…がずっと求めてた感覚…シンがくれた。』
ギュッとシンドバットの服を掴む。
シン「んッ…?」
の頭に手を置くシンドバット。
『起こしちゃった?』
恐る恐る顔を上げる。
シン「いや、目が覚めただけだよ…」
ポンポンとの頭を優しく叩くシンドバット。
シン「調子はどうだ?」
『頭痛くない、苦しくもない、シンが良く見える!』
しっぽをパタパタ動かす。
シン「耳があるのは見てわかったが尻尾もあるのか…」
シンドバットは布団の中で動く尻尾を掴み撫でる。
『んにぁッ!!!』
ビクンッと跳ね上がりくたりとシンドバットの胸へ倒れる。
シン「おっと…尻尾が弱いのか…(それに今の声…)」
艶っぽい声に反応して尻尾から手を離すシンドバット。
『シィ〜ン〜』
は熱っぽい眼差しをシンドバットへ送る。
シン「落ち着くんだ、悪かった。」
背中を摩り落ち着かせようとするシンドバット。
『んぅ……』
ポスリとシンドバットの胸へ顔を預ける。
布団の中の尻尾はシンドバット手を絡めていた。
シン「(そう言えば…今は春、普通の猫なら発情期の頃か…扱いには気をつけないとな。)」
を落ち着かせながら考えるシンドバットであった。