第2章 うつつのゆめ シンドバット [完]
『ねえ、シンドバッド王の好みのタイプって、どんなひとかなあ』
シャル「――えッ、、おまっ、どうしたんだよ?!」
ピス「きゃー!ちゃん、王サマのアプローチに、ついにその気になっちゃった?!」
ヤム「ち、ちょっと、王は確かに尊敬できる方だけど、恋人としてはよく考えた方がいいと思うわよ」
『あ、ちがう、ちがう。逆。王様の好みになりたいんじゃなくて、王様の守備範囲から外れるにはどうするのがいいのかなっていう意図の質問』
シャル「……今同じ男としてすごくツライこと聞いた俺」
ヤム「ああ、なんだそっちね。よかった」
ピス「一方的な好意ってたまにメイワクだったりするよねえ、うんうん、ちゃんも苦労するねー」
シャル「同じ男として(以下略)」
ヤム「うーん、王の好みねぇ………生物学的に女であること……?」
『うわあ』
ピス「王サマは胸のあるなしで女の子を判断したりしないしね!」
マス「…どっちかっていうとセクシー系が好きっスよ」
シャル「でもさあ、スゲー年下の、いっそ幼いくらいの女の子に手出して大事になったことなかったっけ」
ヤム「え、初耳」
ピス「え、ロリコン?」
『え、合意?』
シャル「微妙…?っつーか、え、誰も知らねーの?あれ、いつの話だろこれ」
『大事ってなに、まさかあのひと子持ち?』
ヤム「ちょっと、それホントにあった話?聞いたことないわよ」
マス「酔った先輩の話信用しない方が」
シャル「今は酔ってねーよ!!」
『……ていうか先生。セクシーもキュートもお好きなら、結局わたしはどこを目指してイメージチェンジすればいいんでしょうか』
シャル「それは……
王サマの女好きとお気に入りぶりを考えるとかなりハイレベルな策が要求されるっていうか」
ピス「恋は人を盲目にさせるしさー」
「「「「諦めろ?」」」」
(やっぱりそういう話ですよね……!)
(花から花へ)