第15章 愛し君に… シンドバッド [完]
「とりあえず薬を処方してきますね?」
そう言うと女医は部屋を出ていった。
シン「……。」
切なげに呼ぶシンドバット。
『シン…シン…一緒、いて…?』
ハァッ。ハァッ。と苦しそうに言う。
シン「あぁ、今日はこのままずっと一緒にいる。」
安心して寝るといい。と言うとトントンと優しく背中を叩くシンドバット。
『う、ん。』
ジャー「お仕事はできる範囲は私がやっておきますが出来ないことはシン、明日お願いします。」
ジャーファルは書類を持ち部屋を出ていった。
『シ、ン…』
シン「どうした?」
『ごめんな、さい。迷惑かけて、る。』
シン「謝ることなんて何も無いよ…迷惑だなんて思ってもいない。」
ポンポンと叩くのをやめ背中を摩るシンドバット。
『でも…ごめんなさい。』
シンドバットの身体に身を預けながら言う。
シン「そこは"ありがとう"でいいんだ。」
の頭を撫でながら言うシンドバット。
『ありがとう、シン。』
ゆっくりと頭上げてシンドバットを見る。
シン「あぁ、どういたしまして。」
シンドバットはの頭を撫でながら優しく笑う。
コンコン_____
「王様。お薬が出来ましたわ。」
扉の向こうから女医の声が聞こえた。
シン「あぁ、入ってくれ!」
「失礼します。」
女医が入って来て、近寄ってくる。
「お粉のお薬だけど飲めるかしら?」
白い粉末を見せる女医。
『おくすり…』
明らかに耳がしょぼんと下がった。
シン「なんだ、苦手なのか…?」
『だって、苦いんでしょ?』
そう聞いたことある…とは言った。
シン「飲んだことは無いのか…」
「飲んだら楽になるわよ!」
女医はニッコリ笑いかける。