第15章 愛し君に… シンドバッド [完]
『お兄さん達はいい人?』
んっしょとシンドバットの向かえに座る。
シン「どう見える?」
シンドバットは試すかのように聞く。
『……悪くは見えない。』
は少し考え首を振る。
ジャー「ここに住んでるんですか?」
『うん。ちょっと前からここで寝てる。』
ジャーファルの問いに答える。
シン「親は?居ないのか?」
『気づいたら一人。だから居ない。』
シンドバットの問いにもしっかりと答える。
シン「なんであんなに力が強いんだ?」
『…………』
は答えない。
ジャー「ファナリスではないなら族種はなんですか?」
『…………』
俯く。
シン「布を被ってるのと関係あるのか…?」
『……何も無いよ。』
は後ずさる。
シン「(明らかに関係あるな…)」
シンドバットは後ずさるを見て考える。
シン「ないなら外してみてくれないか?」
『…………』
またも沈黙する。
ジャー「髪が赤髪ではありませんか?」
『……違うもん。』
フイッと顔を横に逸らす。
ジャー「(沈黙がありましたね…)」
シン「何もしないから話してくれないか?君をよく知りたいんだ…」
『何もしない?ホントに?』
"何もしないから"に反応する。
シン「あぁ、何もしないから、な?」
『ニァナリス……て種族だよ。
ニャニャット族とファナリスの間の子に生まれたらそう名ずけられる。』
シン「ニャナリス……ニャニャット族はどんな種族何だ?」
『人獣……猫の。』
は珍しいだから狙われる。と言う。
シン「人獣…猫のって事は隠してるのは耳か?」
『うん。布被ってたらバレない。』
は少し布を解きシンドバットに耳を見せる。
シン「うちの食客にならないか?」
優しい声で言うシンドバット。
『珍しいから?』
シン「違う。助けてくれた、だろう?」
シンドバットはに微笑みかける。