第13章 あなただけの私 シンドバッド [完]
『シン
シン
おねがい
おねがいです
わたしを
きれいに
して
ください』
シン「_____……俺は、君が思ってるような、
綺麗な人間じゃない。
君が望むようなお優しい人間でもない。
きまはきれいにしてくれと乞うだが、
むしろ穢してしまうかもしれない」
ぐっと手を絡めるシンドバットと。
シン「それでも、こんな俺でも、君がいいというのならば、この先
君が何度奪われようと、きみが何度暴かれようと…
奪い返す。何度でも。シンドバットに誓って…」
『ありがとう、シン』
泣き笑う。
『シンが自分をどう思ってても…
私にとってはすっごくきれいな人。
だし、私も、奪われるならシンがいい、です。
うれしい。ありがとう、ありがとう…ございます。』
シンドバットは目をひそめに口付けをした。
『ほんとうに、ばかな子だ、きみは。』
ギリッと繋いだ手に力を入れるシンドバット。
[完]