第12章 宝石の魔女 シンドバッド [完]
『ごめんなさい。今上がったわ…』
頭を拭きながらジャーファルに言う。
ジャー「いえ、傷の手当に来ました。」
ジャーファルは薬箱を持ち言った。
『ありがとう…えっと……ジャーファルさん。』
ジャー「ジャーファルでいいです。座ってください。」
ジャーファルはを椅子へ座らせる。
ジャー「傷を見ますね。」
の長い髪を避けて傷を見るその時露になった瞳が赤くなっていたのを見逃しはしなかったが何も言わなかった。
『…………石鹸が目に入ったのよ…』
痛苦しい言い訳をする。
ジャー「石鹸が目に入った時は擦らずお湯か水ですすいで下さい。充血してしまいますよ?」
ジャーファルは傷の手当てをしながらそう言う。
『今度からはそうするわ。』
ジャー「はい、お願いします。出来ましたよ。」
ジャーファルは手当てを済ませると道具を箱にしまう。
『ありがとう、ジャーファル。』
ジャー「どういたしまして。シンの所へ行きましょうか。」
『えぇ、お願いするわ。』
コンコン_____
ジャー「シン入りますよ?」
シン「あぁ!!!」
ジャーファルはススっと入っていくがはおずおずと入っていく。
前を向くとシンドバットと目が合った。
『……石鹸が目に入ったのよ…』
またも痛苦しい言い訳をする。
シン「……そうか。」
シンドバットは近寄るとの頭を撫でた。
『何よ…』
シン「いや、愛しいなと思ってな…」
愛しそうにを見つめるシンドバット。
『何言ってるのよ!?』
顔を真っ赤にする。
シン「思ってたんだが…俺はどうにも一目惚れをしたらしい。」
頭を撫でながら愛しいそうに言うシンドバット。
『一目惚れってッ……自分が何言ってるか、分かってる!?』
真っ赤な顔と目でシンドバットを見る。
シン「あぁ、俺は生涯独身宣言をしていたんが…困ったな、君を妻に迎えたくなった。」
シンドバットの目は熱っぽく愛しい者を見る目だった。