第12章 宝石の魔女 シンドバッド [完]
『アズマリア!どこ!?』
「ここ、ここよー!」
近くの部屋から声が聞こえた。
『アズマリア!ここに居るのね!』
は一つの部屋に近づく。
「うん。ここよ。ここに居るの。鍵が開かなくて。」
『鍵なら持ってるわ!ちょっと待ってて!』
は鍵穴と鍵を見合わせる。
_____カチャ
シン「!ッ!!!」
シンドバットはを抱き扉から飛び退いた。
_____バァンッ
その瞬間銃声が響いた。
『なっ!』
シン「やはりな…
今のは声真似だ。信じちゃいけない。」
『声真似!?あんなに…似ていたのに……』
はシンドバットの言葉に驚きを隠せないでいた。
「あらぁ、バレちゃったー!」
アズマリアの声で一人の男が鍵を開け出てくる。
『なっ!』
が言葉を失う。
「アズマリアはどこだ…」
を後ろにやりシンドバットは剣に手をかけた。
「アズマリアぁ?」
男は知らん顔で聞き返す。
『攫った女の子のことよ!』
シンドバットの後ろで叫ぶ。
「あぁ、あの子ね…あんまりにもつまらないから殺したわ。」
チラチラと銃を見せながら言う男。
『殺し、た?』
呆然とする。
シン「証拠は…」
剣に手をかけたまま問いかける。
「証拠ぉ〜?」
男は部屋に入っていった。
「ほら、これ?あげるわ!」
ぐったりとした少女の手首を持ちこちらに投げ寄越す。
シン「!」
シンドバットは剣から手を離し受け止める。
受け止めた少女は冷たくなっていた。
『アズ、マリア…』
シンドバットの腕の中に居るアズマリアを受け取る。
その顔は絶望に満ちていた。