第11章 水氷の姉妹 シンドバット [完]
『うんッ!』
は嬉しそうに笑った。
『シンドバット様は…皆は怪我してない?』
紅玉「無傷よッ!!!」
の手を握りしめながら言う紅玉。
『う、んしょ……』
は起き上がった。
「まだ、起き上がられない方が…」
その言葉をは手で制した。
紅玉「ッ!!!」
慌てて背に手をやる紅玉。
『ありがとう紅玉姉様、……シンドバット様。』
は真っ直ぐ部屋の隅に居たシンドバットを見る
シン「あ…あぁ、起き上がって平気かな?姫。」
『へいき、ですよ。それよりシンドバット様。そんなお顔してどうしたんです?』
しかられた子供のようです。とは言った。
シン「怒られても当然なことをしてしまったんだ…こんな顔にもなるさ…」
『誰がシンドバット様を怒るんです?』
私が止めて差し上げます。とふわりと笑った。
シン「ッ…!!!君に怪我を負わせてしまった。だから…」
『?その性で怒られるんですか?じゃあ、隠しちゃいましょう?』
ここの、私とシンドバット様、ジャーファル様、紅玉姉様、夏黄文、女医さんの六人の内緒です。とは笑った。
『だから…笑ってくださいな。シンドバット様。』
シン「君っていう子は……」
額に手を当て項垂れるシンドバット。
シン「君に怒られる覚悟をしていたんだ。」
シンドバットは手で片目を覆ったままを見た。
『ふふ、怒りませんよ…だって私が受けた勝負ですもの。』
ねぇ、紅玉姉様?と背を支えてくれている紅玉に話しかける。
紅玉「えぇ、その通りですことよぉ。」
女に二言はありませんわ。と紅玉もいつもの紅玉に戻っていた。