第8章 六人目のマギ シンドリア [完]
______夜
『ユナンさんは沢山旅して来たんだよね?』
沢山話をしていたが、"丁"は話を振る。
ユナン「え?あ、うん。そうだよ。」
夕食の支度を手伝ってるユナンが応えた。
『たくさんの人にあった?』
ユナン「うん。沢山の人達に出逢って来たよ。」
『その中に、えーと…王候補は居た?』
芋を洗ってユナンに渡す。
ユナン「居たよ。シンドバットって言うんだ。」
受け取って芋を切るユナン。
『シンドバット…カッコよかった?』
ユナン「うん。カッコよくて優しい少年だったよ!」
話しが熱くなったのかこちらを見ながら芋を切るユナン。
ザク_____
ユナン「ッ!!!~〜~ッ!!!」
そのせいで指を思っきりナイフで切った。
『たいへんっ!』
野菜を洗う手を止め布巾で手を拭くと綺麗な布を取りユナンの指に当てる。
ユナン「話に熱くなりすぎちゃったな…」
『ごめんね…ユナンさん。』
お詫びに内緒のおまじないしてあげる!と"丁"はユナンの指を両手で包み目を閉じた。
『痛くない。痛くない。治れ。治れ。』
その包み込んだ手にルフが溜まって光に変わっていく。
『ユナンの傷よ、治れ。』
その言葉と共に光が収まり"丁"は目を開けた。
パッと手を開いたそこには傷のない指。
ユナン「これは…8型の命の魔法。」
ユナンは唖然と指を見る。
ユナン「(杖も使わずルフを操り傷を治した?)君はやっぱり特別な子なんだね…」
ユナンは笑いかける。
ユナン「…なんでどうかな?」
『ユナン、さん?』
ユナン「ユナンでいいよ。"丁"は召使いの意味だろう?名前あげる。
君は今日からだよ。」
『"丁"じゃなくて……ユナン!いいの!?』
嬉しそうに言う。
ユナン「君は魔法使いのだよ。」
ユナンがゆっくりと頷く。