第14章 RED SPLASH.
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ドパ、っと鼻から血が出てきて
膝に置いていたタオルにボタボタ落ちた。
でもこの感じ、止まった。
多分止まる前の血が出たのか。
でも光太郎は止まっていないと勘違い
したみたいで、一瞬で顔が青ざめた。
「ぅわあぁあぁぁあ!まお!無事か!?」
「無事だよ、止まった、ほら」
確認させる。
次の血が出て来ていないのを認識した
みたいで、顔に血の気が戻る。
一瞬で表情コロコロ変わって可愛いな。
この表情に惹かれたのだと、改めて思った。
「ふーー、良かった…止まってなかったら
どうしようかと思ったしさ…」
「まあ止まらなくても最悪今日は
授業終わりだし大丈夫だったけどね」
「駄目!部活あるし!
でもまおは帰った方がいいし!
でも俺送って帰りたいし!?複雑過ぎる!」
「たしかに、ジャージもとんでもない事に
なってるから今日は帰ろうかな…
春高前なのに申し訳ないけど」
「大丈夫!明日はいるだろ!まお!」
「う、うん」
「じゃあ明日だ!今日はゆっくり休め!」
なんてキラキラした笑顔。
皆には申し訳ないけど、今日は休もう。
やれる事が限られるのにいても迷惑だ。
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